HCS研究会に参加してきました!(阿部、山浦、細谷、菅野、野中)

   

こんにちは!今回は5月16日(木)〜5月17日(金)に沖縄・那覇市で行われたヒューマンコミュニケーション基礎研究会(HCS)5月学会にて、共著として参加したM2の阿部・山浦およびB4の細谷・菅野・野中より参加報告をさせていただきます!

会場の沖縄産業支援センター前にて集合写真

↑写真のとおり、12人という大人数での学会参加でした!これまでの中村研の学会参加において、最も多い人数ではないでしょうか?笑

 

気になった研究

ここでは、各自が気になった研究を1つずつ紹介させていただきます。

阿部が気になった研究

仮想空間を用いた小学生向け異文化体験型英語教材の開発:小谷瑠己、神田智子(阪工大)

(僕の苦手な)英語の教育について、外国の文化を含めて英語を勉強することに着目した研究です。小学生の英語教育を支援するため、ストーリーが用意された3Dゲームをプレイすることによって、英語およびアメリカの文化を学習する試みとなっています。

研究では、「英語を繰り返し学習できる豊富な文化体験要素を含む教材であること」と「探索要素が多く飽きない教材であること」の2つを設計の方針とし、ゲーム中に登場人物や通貨など様々な要素を盛り込んだゲームを制作しています。また、ゲーム中に日本・アメリカのそれぞれを模した国を用意し、それぞれの国を行き来することで文化の違いを体験できるようになっています。評価実験として、どの程度体験を記憶できているかを調査し、特徴的なキャラクターに関するストーリーは記憶しやすいなどの結果も得られていました。下の図がゲームをプレイしてる様子です。

今後はVRによってプレイできるように検討中など、これから更に進化する研究で面白そうだと思いました。特に、僕は英語教育のモチベーションを保つのが難しいので、このように楽しく、効果的に勉強する方法が増えるのは嬉しいと感じつつ発表を聞かせていただきました。

山浦が気になった研究

対戦型カードゲーム中に喚起された報酬期待が瞳孔情報に及ぼす影響:正田孝平、中山実(東工大)

目は口ほどに物を言うとは昔からよく言われており、特に目の瞳孔の動きや大きさといった情報は相手の心理状態を表しています。

この研究は、スマホ依存症やギャンブル依存症などといった依存症が社会問題となっていることを危惧しており、瞳孔の情報から報酬を期待する心理状態を定量的に評価することを目的としています。

実験ではポーカーを実験協力者にやってもらい、その瞳孔情報を取得しています。実験の結果、ポーカーの勝負における報酬が変化した場合、その実験協力者の瞳孔が変化することが明らかになりました。このように報酬の期待度により瞳孔が変化したということから、今後依存症に悩む人のカウンセリングにおいて、より診断の精度を向上させることができると期待されます。

私の感想としましては、瞳孔の大きさは相手の嘘をついていることによる不安や、興奮しているなどの心理状態を反映しているということはよく聞いたことがありましたが、このように依存症のような疾患の指標とするという別の切り口から攻めた研究は聞いたことがなく、非常に興味深いという印象でした。

細谷が気になった研究

裏切り者は左側を向けて笑う:大久保街亜、石川健太(専修大)

キャッチーなタイトル「裏切り者は左側を向けて笑う」がこの研究の結果そのものです。

裏切ることは人間社会における協調行動の妨げになるが、人はその裏切りをある程度は察すことができる。しかし、それでも裏切りが行われているのは裏切る側が隠すことに成功しているからと考える。

この研究では裏切る側がどのように裏切りを隠蔽しているかを、被験者にお金をやりとりするゲームをさせる実験によって調査した。ゲームをする時に各被験者の写真を提示すると説明し、信頼できる表情の写真を撮った。この写真によって表情を分析した。

結果として、模倣しやすいかつ信頼感を与える笑顔を、表情が出やすいと言われる顔の左側で見せている写真のユーザが裏切る確率が高かった。
私自身の感想としては、これから人と話す時にこの研究のことを思い出してしまい、人の顔を見てしまうだろうなと思います。相手の反応と合わせて見たときに、嘘をついていそう、かつ左側を向けていたら楽しくなってしまいそうです。

菅野が気になった研究

文脈的情報への注意における日米比較 ~ 映画ポスターを用いた予備的検討 ~ :長岡千賀(追手門学院大)

東アジア人は西洋人に比べて文脈的情報により多くの注意を払うことが知られています。例えば、肖像画では西洋画では顔の面積が広いのに対し、東洋の絵では顔や体が少し小さめに描かれ、周りの背景が描かれています。このように、東洋では文脈的な背景を重視した絵画や写真が作られてきました。

この研究は、その傾向が日米の映画のポスターにも表れるか調査し、日本のポスターのほうが背景の情報量が多いことを明らかにしました。

下の作品はエリザベスという作品ですが、日本版のほうが顔が小さく、周りに背景が描かれているのがわかります。私も検索してみたとところ、日本のポスターのほうが文字の情報が多く、キャッチコピーも必ずと言っていいほど入っていて面白い傾向だと思いました。

野中が気になった研究

感情表現を伴ったミニマルなエージェント動作の生成モデル ~ コミュニケーションにおける持続的心的サポートを目指して ~:南明日香、高橋英之、伴碧、中村泰、石黒浩(阪大)

コミュニケーションにおいて緊張を伴ってしまう場面は多く、実際私もプレゼンテーション等の人前に立つ環境には未だに慣れることが出来ません。この研究は情動表現を行うエージェントを提示することで人間の緊張緩和を試みるという、まさに私のような人のためにあるような研究となっています。

具体的には、アニマシー知覚を利用して幾何学図形に感情表現をさせ,その情動を人間に伝染させるというものです。非生物に生物感を持たせるというアイデアがとても面白いと思いました。今回はプレゼンテーションに焦点を当てたものでしたが、他のコミュニケーション方法に応用できそうだと感じ、とても興味深いと感じました。

 

感想

今回の学会は、去年の10月頃に始まった学部2年ゼミの研究活動について、その研究成果を発表するメンバーが多くいました。僕たち上級生は約半年に渡り一緒に協力して研究を行ってきましたが、立派に発表するB3を見て「成長したな〜」としみじみ感じるなど、感慨深いものがありました。特に登壇発表はB3の皆さん本当に上手だと思います!自分たちも見習わなければ...。

とにもかくにも、B3のメンバーは初めての研究発表お疲れ様でした!この時期に発表することは本当に凄いことだと思います。そして、1月のGN研究会に続き早くも今年2回目の学会発表となった、M2の徳久くんもお疲れ様でした!

以下の写真は、沖縄の各地で撮った風景やご飯になります!

綺麗な海と古宇利大橋をバックに記念撮影

空港近くの瀬長島にも行ってきました

伊計島にていい感じの写真?

沖縄ならではのシーサー作り体験

中村研専属カメラマンによる古宇利島のバーベキューバーガー

会場近くで食べた本ソーキそば+五目じゅうしい

学会終了後の打ち上げにて本ソーキ(めっちゃうまい)

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