第165回ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)研究会で「主観写真ライフログ探索における撮影行動の利用可能性に関する検討」というタイトルで発表してきました!(神山)

投稿者: | 2015年12月21日

寒さがひとしお身にしみ,また本年も押し詰まってまいりましたが、皆様いかがお過ごしですか。

不整脈が見つかった中村研究室B3の神山です.

今回11/29,30に大分県別府国際コンベンションセンター B-ConPlaza で行われた第165回ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)研究会に中村先生と私の2人で参加し,また,「主観写真ライフログ探索における撮影行動の利用可能性に関する検討」という題目で発表させていただきました.こちらの記事ではその参加報告と,発表報告をさせていただきます.


第165回HCI研究会に行ってきました!

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まず研究会全体の報告です.今回は第48回ユビキタスコンピューティングシステム(UBI)研究会と共催であったため,2日間に渡り様々な発表がありました.その中でも私が興味を持った発表を2件紹介させていただきます.

  • 「内蔵照度センサによるハンドジェスチャ認識を用いたモバイルアプリケーションの検討」山下大輔、間博人(同志社大学理工学部)、松井健人(同志社大学大学院理工学研究科)、三木光範(同志社大学理工学部)

この研究ではスマートフォンに内蔵されている照度センサを用いてジェスチャ認識をすることで,手が濡れているなど,スマートフォンを触って操作できない際に操作を可能としました.これを用いたアプリケーションとして,Webブラウザと音楽プレーヤとゲームという3つのアプリケーションを実装&評価実験を行い,有用性を検証しています.この手法では作業効率の面からすると確実に有用性はあるのですが,これを人が用いた時に認識までの遅延が気になる,などユーザアビリティの面からの考察をもっとして欲しかったように感じました.

  • 無線LANアクセスポイントを活用した防犯監視システムの検討古賀康明,富樫宏謙,古川浩(九州大学)

この研究では,スマートフォンがWi-Fiネットワークに接続する際に発するProbe Request信号を拾い,大量のMACアドレスの中から犯人の端末のMACアドレスを特定し,犯罪捜査を支援する,といった研究になっています.犯人の端末がWi-Fiにつながっておらず,またWi-Fiスポットを探索中であることが前提のシステムですが,迂闊な犯人であれば捕まるのではないか,というのと,犯罪の足跡を電波や信号から追跡する,といった着目点が非常に興味深かったです.


 

そして,「主観写真ライフログ探索における撮影行動の利用可能性に関する検討」という研究発表をしてきました!!

次に,このHCI&UBI研究会で研究発表をしましたので,そちらもご報告させていただきます.

今回発表させていただいたのは,「主観写真ライフログ探索における撮影行動の利用可能性に関する検討」という研究です.

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本研究では,ユーザの生活や日常をデジタルカメラやスマートフォンのカメラを用いてユーザ視点の写真データとして蓄積する主観写真ライフログにおいて,過去の写真を探索する際に,いままで使われていた日時や場所などのとは違う新しい探索軸として撮影時の動き(撮影行動)が使えるのではないか,と提案しました.そして,撮影行動でのライフログ写真探索の利用可能性を検討するにあたり,どのくらい撮影行動を思い出せるのか,ということを実験を通して考察しました.簡単にまとめると

  • 撮影までにかかった時間の予測は出来ていなかった
  • 撮影までの動きの量の予測は多少出来ていた
  • 動きの量は撮影時の行動や状況(暗さ・接写・覗き込む)に関係している
  • 酔っ払っているときは本人が予測している以上にカメラが動いてしまっている!

このようなことになっています.詳しくは論文や発表時のスライドをご参照ください!

[論文]

神山拓史,中村聡史: 主観写真ライフログ探索における撮影行動の利用可能性に関する検討, 研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI), 2015-HCI-165(13), 1-8(2015-11-22), 2188-8760(2015-11-29)

[スライド]

発表自体は最初は緊張して覚えたセリフをそらんじているだけでしたが,だんだん緊張も解けていき,ウケもとれ,初めてながら楽しめて発表できました.論文投稿から発表までの間隔が短い中,発表練習での先生やメンバーの指導や叱咤激励の賜物です.この場をお借りして感謝したいと思います.

ただ,質疑応答では質問に対してしっかりと対応できず,拙さが出てしまいました.次の発表ではもっと会場のウケを取り,また質疑応答でもしっかりと答えていけたらと思います.そして,まだまだ未完成な研究ですので,今後とも精進していきたいと考えています.

研究会の合間に初めての大分・別府を楽しんでいました.観光は地獄めぐりを軽くしただけですが,ご飯では関サバ・関アジ,鶏天,りゅうきゅうなど,お酒では大分の麦焼酎を飲んで楽しませていただきました.B3からこのような経験ができて,とてもよかったです.ありがとうございました.

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