第115回GN研究会で「プレゼントと相手の持ち物との被りを軽減する手法の提案」というタイトルで発表してきました.(清水亜美)

   

はじめに

こんにちは.明治大学中村研究室B4の清水亜美です.

今回,第115回GN研究会に参加してきました!そちらでの,発表報告をしていきたいと思います.

研究内容

プレゼントをあげる機会はたくさんあると思います.

しかし,プレゼントをあげることに対し多くの人は悩みを持ったことがあると思います.例えば,あげる相手の趣味嗜好がうまく掴めずに何を上げれば良いかわからなかったり,家族や友達に対するプレゼントのネタ切れなどが挙げられます.これらの問題は,プレゼントに関するまとめサイトやプレゼントに適した商品を推薦してくれるサービスによって解決できます.

そこで,本研究はプレゼントに関する問題の中からプレゼントとあげる相手が持っているものが被ってしまうという問題に着目しました.

この問題に対し,直接欲しいものを聞いたり,ほしい物リストを公開してもらうことで解決するという意見がありますが,これらは,サプライズ感が減ってしまったり,ほしい物リストを公開することに対して躊躇する人もいるため,解決にはつながりません.

そこで,相手に欲しいものをを直接聞かずにプレゼントを渡し,プレゼントとあげる相手の持ち物との被りを軽減することを目的として研究を進めました.

そのためには,

  • 相手の趣味嗜好を探りつつ,直接欲しいものを聞かずに選ぶことが必要
  • どの程度好きであるのか,知識量などの情報も必要
  • 好みや興味は木の幹とその枝のように広がりをもつものであり,そうしたものを表現し,また網羅的に観察できるようにするとともに,その関連性を把握できる必要

と考え,その形がマインドマップに似ていることから,マインドマップの要素を取り入れた「プレゼントマップ」を提案しました.

プレゼントマップは,お互い会話をすることなく趣味嗜好や詳しい事柄を枝分かれグラフに交代で追加していき,あげる相手の興味度合いや知識などを推し量りながらプレゼントを考えるシステムです.さらに,相手がそれに詳しいかどうかを把握するための「問いかけ機能」や,相手の書き込みに対して共感を示す「いいね機能」を組み込みました.

これにより,

あげる側:普段の会話やメッセージのやり取りからは知り得なかったお互いの趣味嗜好に関する情報が得られ,今まで思いつかなかったプレゼントを思いつくことができるようになる

もらう側:プレゼントマップのどこからプレゼントがもらえるのかわからないというサプライズ感を得られる

といった期待がされます.

プレゼントマップを用いることによって,プレゼントと相手の持ち物との被りが軽減されるのかを検証しました.

結果

プレゼントマップを用いる前に考えた事前プレゼントは16件中5件,プレゼントマップを用いて考えた事後プレゼントは16件中2件の被りが見られ,被りが減少しました

事前プレゼントを選んだ理由として,

  • 「いくつあっても困らないものだから」
  • 「無難で何枚あっても困らなそうだから」

といった回答が見られました.

このように,相手の趣味嗜好を考えずに選んだ無難なものであったり,相手が持っているものかどうかを考えずに選んでいるため,被りが見られたと考えられました.

 

一方,事後プレゼントを選んだ理由として,

  • 「スキンケアに興味があるということだったため」
  • 「相手からの問いかけから,興味はあるけど詳しくないものであるのでまだ持っていないものではないかと思った」

といった回答が見られました.

このように,相手の趣味嗜好をプレゼントマップから探るようになったため,被りが減少したのではないかと考えられました.


 

また,プレゼントマップの使用前と使用後のユーザの変化について以下の項目で比較しました.

あげる側

  • 「選んだプレゼントに自信がありますか」(1〜5の5段階評価)
  • 「プレゼントはすぐに思いつきましたか」(1〜5の5段階評価)
  • 「相手の趣味嗜好をどの程度把握していますか?」(1〜5の5段階評価)

もらう側

  • 「プレゼントの満足度」(100点満点)

 

あげる側のプレゼントマップを使用した感想として,

  • 「相手の趣味嗜好を新しく知ることもできるし,再確認も可能であったためプレゼントを考える上で使っていてすごくやりやすかった」
  • 「いいねやノード追加の動きから相手の心を読み取るのが,推理ゲームみたいで面白かった」

といった回答が見られました.

これらから,普段のコミュニケーションからは得られなかった新たな相手の趣味嗜好をより知ることができたため,プレゼントに対する自信が上がったりや趣味嗜好の把握がよりできるようになったのではないかと考えられました.

もらう側のプレゼントに対する評価の理由として,

  • 「そういうものがあること自体知らなかった」
  • 「自分では買おうとはならないけれど,使ってみたいと思ったから」
  • 「持っていないけどとても気になっていたものだったし,自分では買わないようなものだから」

といった回答が見られました.

これらから,もらう側の趣味嗜好だけではなくあげる側の趣味嗜好も考慮しプレゼントを選んでいるため,自分では買わないようなものがもらえるようになりプレゼントに対する満足度が上がったのではないか と考えられました.

詳細については,論文やスライドを参照してください.

スライド

 

論文情報

清水 亜美, 野中 滉介, 中村 聡史. プレゼントと相手の持ち物との被りを軽減する手法の提案, 情報処理学会 研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN), Vol.2022-GN-115, No.4, pp.1-8, 2022.

おわりに

淡路島に行けると楽しみにしていましたが,新型コロナウイルス感染拡大の影響で,オンライン開催となってしまいました.

少し残念でしたがオンラインでもとても興味深い研究がたくさんあり,楽しかったです.

中村研での発表が最後になりさみしいですが,同期,先輩や後輩と内容の濃い2年間を過ごせて満足しています!!

中村研の皆さん,本当にお世話になりました!ありがとうございました!!!

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