研究室本配属を考える学部2年生向けのメッセージ(2023年)

投稿者: | 2023年1月24日

中村聡史研究室への配属を検討されているみなさんへ。

このページは、主に明治大学 総合数理学部 先端メディアサイエンス学科の2年生の中で、本配属(3年次~4年次の2年間)として中村研究室への所属を検討している学生さん向けへのページですが、大学院からでの中村研究室配属も受け入れています。ちなみに、2年に一度更新するページとなっています(2017年版2019年版2021年版)。

中村研究室では、ひとと情報の深い理解に基づく、ひとが情報をお手玉するように自在に扱えるインタラクティブシステムを実現することを目的としています。詳しくは、こちらにこれまでの業績が学生のブログ記事で投稿されていますし、学生さんの発表はスライドと原稿とともにデジタルライブラリで公開されているので参考にしてください。2015~2022年度の学生さんの研究テーマとしては、平均手書き文字および応用、ネタバレ防止、周辺視野利活用、タスク管理・推進、待ち時間変容、コミック工学、BADUI改善、商品選択、推し、ダンスの個性抽出、ライフログ、ファッション、化粧、水族館、爪、プレゼントなどとなっており、私がもともとやっていた研究や、やりたいと思って取り組んだ研究よりは、学生さんたちが切り開いてきた研究が多く、本当に多様です。

例えば、2021年度の卒論のタイトルはこんな感じです。

  • 青木由樹乃: BingoFit: 所有する衣服の活用に向けたビンゴ型衣服提示システムの提案
  • 植木里帆: 中学基礎計算の途中計算を支援するシステムの提案
  • 小松原達哉: 視線計測による興味推定を用いた優柔不断な選択者を後押しするシステムの提案
  • 山﨑郁未: Webアンケートにおける不真面目回答予防システム実現に向けた自由記述配置の基礎検討
  • 清水亜美: 趣味嗜好の共有によってプレゼントと相手の持ち物との被りを軽減する手法の提案
  • 中村瞭汰: 見本のダンス動画に対する軌跡の付与が動きの習得に及ぼす影響の調査

また、2022年度の卒論のタイトルはこんな感じです。

  • 青木柊八:視線に連動した記憶対象文字列へのぼかしを利用した非流暢性制御による記憶容易性向上手法
  • 関口祐豊:PP-Undo:筆圧の制御により付与されたストロークの確信度に基づくUndo/Redo手法の提案
  • 高野沙也香:Make-up FLOW: 個人差・状況差の大きい化粧工程の構造化手法の提案
  • 中川由貴:ペンギンの腹部模様に注目したぬりえ型観察・検索手法の提案
  • 櫻井翼:漫画読書中におけるキャラクタの想起支援手法のための記憶しやすいキャラクタの基礎調査
  • 高久拓海:Web上での調査における回答時間に着目した不適切な慣れの基礎調査
  • 畑中健壱:ShrinkTextbox: Webアンケートの自由記述回答欄サイズ変化 による回答の質向上法
  • 松田さゆり:爪色の変化によるものの重さの推定

なぜかはわかりませんが、中村研では女子学生は自身の趣味に走った研究を、男子学生は割と広い問題に関する研究を扱いがちです。

以上のように、中村研究室では「ひと」にまつわる研究であれば、どんな研究に取り組んでいただいても大丈夫ですが、ハードウェア制作に関する研究は基本的には行いません(というか私が指導できません)。他研究室の先生と一緒に連携して研究をすすめることはもちろん可能ですが、色々と試行錯誤しつつハードウェアの制作をやりたい場合は、小林研、宮下研、渡邊研、福地研、橋本研などの方がノウハウがあり、また機器も揃っていると思いますので、まずはそちらを検討されるとよいかもしれません。もちろん、ハードウェアを「使う」研究はやりますので、そちらについては何ら問題ありません。

さて初めに中村研究室では、私の家庭の事情(在宅での息子の医療的ケア)もあり、他の研究室に比べ平日の9時~17時と大学にいる時間に限りがあり、それ以外の時間は基本的にいません。また当然ですが、講義や学務、出張などで研究室にいないこともあります。そのため、中村研究室を志望される方には、研究室に参加し、相互に助け合って成長するという思いをより強くもってもらいたいと思っています。研究室運営についても、相互に助け合うことを重視しているため、ゼミは参加必須で対面のコミュニケーションを取る必要があるものが多いですし、参加必須の合宿も頻繁に行われます。また、発表練習や原稿のチェックもかなりの時間をかけて相互チェックをするのが義務付けられています。そのため、こういうのを面倒くさいと思う人には、向いていない研究室かもしれません。

研究室の中で、私は研究室運営(予算獲得、イベント設定など)や、研究指導、論文添削、あと学生同士では指摘することが難しい、進んでいない/さぼっている学生さんを見つけて声をかけて回ったり、精神的に落ち込んでしまっている学生さんをケアしたり、運営上問題があるときにたまに怒ったりする役目(怒るのはしんどいのでやりたくないのですが)を担当しています。なお、大学にいるときは講義や学務以外では実験室(1008の学生部屋)に私はずっと居ますので、大学に来さえすれば接触機会は多いと思います。

 

以降では、中村研究室の研究・教育方針、そして3年次に研究室に配属されてからのスケジュール、日々のスケジュールなどについて簡単に説明したいと思います。ちなみに、中村研究室の研究・教育における詳細な情報はこちらにありますし、研究室運営において工夫している点はこちらにまとめてありますので、興味のある方は参考にしてみてください。

ちなみに面談申し込みページはこちらです

 

中村研究室の研究・教育方針: 継承と開拓

中村研究室の研究(および教育)における基本方針は「継承と開拓」になります。

研究(卒論も同じ)というのは思った以上にやることが多いもので、ごくごく単純化したとしても、取り組むべき問題を設定し、その問題を他者がどう解決しようとしたかについて調査を行い、その問題を他者より良く解決する現実的な方法を考え、その方法が良いことを検証するためにシステムを開発したり実験を設計したりし、実験を実施して色んな可視化手法を利用して結果を提示&分析手法を学んで分析し、その結果を考察して文章として論理的にまとめ、作成した原稿をもとに発表をして質疑などを行い、発表などをもとに反省点を洗い出して方法や実験などを改善し…といったように、まぁ本当に一人でこんなことやるんかと思ってしまうくらい色んなことをやります。多くの時間、色んな知識、技量が必要となる大きなプロジェクトという感じです(ちなみに、研究は前のが終わったから次に順調に進んでいくというものではなく、ダメだと判断した時点で前に戻ります)。

なので、研究に取り組むことで様々な力が付きますし、就職してからはなかなかつけることが難しいものです。また、研究を1回やればこの力は習得できる!というものではなく、何度も何度も何度も何度もやって少しずつ力がつくものですので、何回も研究に取り組み、何回も学会発表をするといったことで力がどんどんついていくというものになります。

この大きなプロジェクトに、まだ右も左も分からない状態で、初めての研究で取り組むというのはとても大変です。なので中村研究室では、まず学部3年生の間は研究のテーマを継承してもらいます。学部3年生では自身のオリジナルの研究に取り組むのではなく、事前に私や先輩が用意したテーマ(私や先輩がこれまでにやってきた研究の続き、特に共同研究に関するテーマ)に取り組んでもらいます。継承することで、取り組むべき問題の設定、他者がどう解決しているのかという調査、よりよく解決する方法といった時間がかかるものをまずは飛ばし、システムの改良や実験の再設計、および実施から取り組むことができます。また、原稿についても過去の先輩のものがあるので、それを参考にしつつ改良する形で書き上げることができます。そして、3年生の間に何らかの成果を出して学会発表を経験してもらうという形をとっています。先輩のテーマを継承するので、先輩から手厚いサポートを得ることができます。

そして、学部4年生では研究テーマを開拓してもらいます。学部4年生で初めて自身のオリジナルの研究に取り組み、卒論発表をしてもらいます。ここでは前述のすべてに取り組むことになります。とても大変ではありますが、3年生のときになんとなくやった経験があるので、どういったことに取り組む必要があるのか、どう考える必要があるのかなどが見えてきて、少しは楽ができます。

繰り返しにもなるのですが、中村研究室でなぜ3年生でオリジナルの研究に取り組まないのかについては、研究は先述の通り、また下記に列挙する通りなかなかに大変なものだからです。

  • 多くの学生さんにとって問題設定&他者よりよく解決する現実的な方法を考えるというアイディア出しは簡単なものではなく、苦悩することが多いため(それで研究が嫌いになる人も多いものです)、まずはアイディア出しを飛ばして研究に取り組み、学会発表をすることで成功体験を得るため
  • 1年間で研究における実装、実験設計、実験実施、結果の整理、考察、関連文献調査、原稿書き、相互チェック、徹底したプレゼン練習、口頭発表、質疑対応、そして改善などなど、様々な難しく、そして楽しい経験をすることで研究のやり方(基礎)を学ぶため
  • 研究室にとって重要なことの1つは研究の継続性であり、先輩が卒業したからと言ってその研究を放置してやりっぱなしにするのではなく、しっかり引き継ぐため
  • 中村研究室の研究活動を支えているのは研究予算(国の予算や企業との共同研究費)なので、そうしたものに貢献してもらうため

そのため、3年次は継承により研究が勢いよく進んでいき、4年次は開拓する必要があるため停滞しつつも(テーマを考えるのは容易ではないため)着実に進んでいくということになります。また3年次頭から研究テーマが与えられるため、学会発表に割とすぐに行くことができることもあって、中村研究室は所属している学生さんはそれぞれ楽しそうではありますが(教員目線)、なんだかんだで忙しい研究室です。特に、締め切り間際や発表間際は原稿書き、修正、発表練習などで死にそうになったりいる学生さんも散見されます(割とみんな追い詰められないとやらないため)。また、基本的に平日は研究室に来て研究してもらうことになるため、学生の間はただただ遊びたい、バイトでお金を稼ぎたい、楽に卒業したいと思う学生さんにとっては向いていない研究室だと思います。

「中村研究室では3年生の間は好きな研究はできないんですか?」と質問されることがありますが、先輩のテーマの中からどれを選ぶのかという選択ができるので、意外と広く選ぶことができます。また、1年間の経験で、それ以降の研究推進ができるため悪くはないと思っています。なにせいきなり研究を最初から最後までやるのは本当に大変なので。ただ、1年目から本当に自分で考えた新しいテーマに取り組みたい場合は残念ながら向いていない研究室かもしれません。

さて、先述の通り、研究して発表するということは、繰り返し繰り返し行っていかないとなかなか十分な力にはなりません。また、英語などでの発表についても経験してほしいのですが、そのためにはやはり時間が必要となります。そのため、私は学生さんたち全員に大学院への進学を推奨しています。大学院への進学をすすめる理由はシンプルで、就職してからは伸ばすことが難しい力をつけ、将来の様々なことへの確率をあげるためです。現在、大学院の進学率は46/53(86.8%)となっています。また、FMS学科の中では最も進学率の高い研究室となっています。ちなみに、第1志望でない学生の院進学率も8割を超えているので、第1志望じゃなく、大学院に進学するつもりがなかった学生さんも結構おり、研究を楽しみ or 周りの雰囲気に流され大学院に進学する研究室になっているようです。さらに、男子学生の進学率は31/35(88.6%)、女子学生の進学率は15/18(83.3%)なので、男女問わず大学院に進学する研究室になっています。

今までも学部就職している学生さんはそれなりにいますし大学院に進学しなければならないというわけでは決してないのですが、周りがあまりに就職活動をしないため、どのタイミングで就職活動をしたらよいかが見えにくいなど大学院には絶対に進学するつもりがないというひとにとっては難しい環境になるかもしれませんので、そうしたことに自信がない場合は別の研究室を選ぶとよいと思います。なお、私の時間的な制約、予算的な制約、そして指導力に限界があるため、中村研を踏み台として他の研究室や他大学の院を志望する学生さんも大歓迎です。

中村研究室では学部3年生の発表は必須となっていますし、それ以外でも学生さんたちに積極的に学会発表などをすることで外に出てもらいたいと考えています。遠方の開催地にどうしても出したがるのがうちの研究室の傾向で、その学会発表のためには旅費、宿泊費、参加費などが必要になるわけですが、そうしたお金については今のところすべて研究室の予算から出しているため、学生さんの個人負担はありません。ただ、今は幸いにして研究費を確保することができていますが、予算はいずれなくなる可能性もありますし、今後の皆さんの後輩が研究費を使えるようにするには、また新しい予算を獲得する必要があります。そうした予算獲得には、研究成果が必要となりますので、研究室に配属された場合は、自分が成果を出して学会発表することは自分のためだけでなく、後輩のためにもなるということを意識しつつ、しっかりと学会などで成果を発信していってもらえればと思います。実際、これまでに学生さんの活躍のおかげで、企業との共同研究が始まっていたりしていますので、こうしたサイクルが回り始めていると言えます。ちなみに、研究室の予算がどれくらいあるかは、中村研の先輩などにこっそり聞いてみてください。20~30人近くを毎年最低1回以上学会発表させるにはそれなりにお金が必要なので、それなりにはあります。

 

学部3年生が研究室に配属されてからのスケジュール

まず、通年で予定されているのは、週に1度のゼミ(研究会や論文紹介など)です。論文紹介では担当は2~3週間に1度回ってきます。3年次は日本語のページ数の少ないものから始めていきますが、4年次からは査読に通った論文誌または国際会議の論文、修士以上は国際会議論文の紹介が必須となっています。また、学部生は週に1度のBゼミ、大学院生は週に2度のMゼミがあります。さらに個別のミーティングまたはグループミーティングとして、週に1回打ち合わせが入ります。それ以外の全体的なスケジュールは下記のような感じです。

  •  4月上旬
    • 研究室配属
    • 研究テーマ決定
    • 新歓(コロナ禍が終われば)
  • 4~5月
    • 週に1度、中村と30分の個人ミーティングを実施して研究推進
    • 週に1度、グループ学生同士でのミーティング
  • 5月下旬~6月初旬
    • 研究テーマ確定のための合宿(2015、2016は伊東の山喜旅館で1泊2日で(2015, 2016)、2017は那須で2泊3日、2018は白浜で2泊3日、2019は猪苗代湖で2泊3日、2020・2021はオンラインで、2022は久しぶりに2泊3日で鬼怒川で実施)
    • 合宿ではグループに分かれて徹底的に議論し、翌日研究テーマをプレゼン
  • 6月~
    • 合宿で発表した研究テーマに基づきグループを編成し、週1度のペースでグループミーティングを実施しつつ研究を推進
    • 研究の進捗度合いで研究発表する研究会を決め、締め切りに向けて実装、実験、論文執筆などに取り組む
    • 例年、最初の研究会発表は8~1月になりがち。遅くとも3月までにはどこかの学会、研究会で1度は発表する。
  • 1月下旬~3月
    • 卒論発表会・修論報告会において1年間の研究成果発表
    • 4年次に向けた自分のテーマでの研究の準備
  • 随時(他研究室との、合同研究会)

といった感じになります。前にも書いていますが、それなりに忙しいです。ちなみに、詳細なスケジュールはこちらにありますので参考までに。

 

研究室でお互い助け合うとはどういうことか?

さて、研究室ではお互いに助け合ってと書いていますが、いったいどのように助け合うのかについて簡単に書いてみたいと思います。結構色々と助け合わなければならないことがあるんだなと理解いただければと思います。

  • 論文紹介や報告会、1対1でのプレゼンなどで、積極的に質問する: お茶の水女子大学の伊藤先生もおっしゃっていますが、質問せざる者、卒業するべからずです。どんな質問でもよいですので質問していきましょう。研究に関する質問に良しあしなんてありません。発表者としては質問が出るとうれしいものですし、質問から色々な気付きがありますし、質問するということはしっかり聞くということにつながりますし、自身の力も向上します。研究室メンバーに貢献すると思って質問していきましょう。一応質問のハードルを下げる施策はうってますが、ぜひ積極的に!
  • 積極的に(研究に関する)雑談をする: 私が研究のアイディアを思いついたり、研究が一気に進んだりするのは他人と雑談しているときだったりします。そのため、行き詰っているときに一番重要なことは、ひとと喋ることだと考えています。喋ることで整理されていきますし、他者は自分とは異なる視点を持っていることが多く、意外な気付き、発見があったりします。なので、気軽に他人を捕まえて雑談しつつ議論をして下さい。また誰かに相談されたら積極的にのっていきましょう。それが自分のためでもあります。
  • グループで徹底的に議論する: 研究室の全学生に対してミーティングするのは容易ではないですし、私の時間に限りがあるため、研究テーマに応じてグループを作り、研究を推進してもらっています。そのため、私が編成するグループの仲間でお互いに助け合い、徹底的に議論して研究を進めてください。
  • 実装(プログラミング)でわからないところは助け合う: 研究の推進で実装につまづくことはよくあります。エラーが出るたびに私に質問しようとする人がいるのですが、そうされてしまうと私は何もできなくなってしまいます。そこで、実装(プログラミング)で悩んだら、他の学生に積極席に質問するようにしてください。また、誰かが質問してきたら、どうしたらよいかを一緒になって考えていってください。どうしても解決不可能な場合にのみ、私にもってきてください。ちなみにそうした問題は、私も解決できなかったりします。
  • 予備実験に積極的に協力する: 中村研の研究テーマは、「ひと」に関するものですので、どうしてもひとに使ってもらうなどして実験を行う機会が多くなります。なかでも、このまま実験を実施して問題がないかを確認するための予備実験は重要で、そのたびに実験協力者の時間が奪われていったりします。なので、実験には積極的に協力していってください。
  • 投稿する原稿をチェックする: 私が全員の原稿を全部最初からチェックしていては時間がいくらあっても足りません。そこで、お互いに原稿をチェックしあい、私がある程度読みやすくなっている原稿をチェックするだけでよいようにしてください。ちなみに、例年こうした原稿の相互チェックにそれなりに時間がとられますが、この他人の原稿をチェックするというのは成長につながります。
  • 発表練習をチェックする: 中村研では学会などの口頭発表に対する発表練習を特に重視しています。学会などで発表を聞いてもらうということは、聴衆の時間をいただいて話をするということなので、発表の質を上げることは必須です。そのために発表練習が重要になりますが、毎回私がチェックすると時間がいくらあっても足りません。そこで、学生同士発表をチェックしあうようにしてもらいます。だいたい初めての発表の時は、1か月前くらいから平日は1~2日に1度くらいのペースで発表練習をすることになります。
  • ポスターをチェックする: 学会のポスターもありますが、合同研究会などではポスターで発表することがよくあります。そのポスターの作成において、デザインを指摘しあったり、わかりにくいところを指摘したりといったようにお互いにチェックしあうようにしてもらいます。
  • 議事録に積極的に書き込む: 中村研では、論文紹介や学会、発表練習など様々な場面でScrapboxを利用して議事録をつけていきます。議事録は研究室の資産となるものですので、積極的に書き込みに貢献していってください。また、質問やコメントもどんどん残していってもらいます。中村研に入ってきたら、まずはその膨大な議事録の山を見てみると良いと思います。楽しいです。
  • イベントには積極的に参加する: 基本的に中村研のイベント(合同研究会、合宿、懇親会)は参加が必須ですし、古臭くて申し訳ないのですが飲み会・交流会についても積極的に参加してもらいたいと思っています。ちなみに積極的に参加するというのは、ただ参加するという意味だけでなく、準備をしたり片づけをしたりといったことも含みます。みんなで楽しみましょう。
  • 学年をこえて誰が何を得意か把握してください: プログラミングが得意、文章が得意、デザインが得意、アイディア出しが得意、実験設計が得意、ひとを集めるのが得意などひとによってそれぞれ個性があります。誰が何を得意なのかということを把握して、ぜひともそのひとに積極的に相談していってください。そのためにも、学年をこえた交流が重要になります。

さて、研究には答えがないものですし、わたしも答えは知りません。つまり、研究においては、私(教員)と学生さんたちの間にも差はなく、お互いに研究を推進する仲間です。方針の指導をしたり、論文の添削をしたり、客観的にみるのは学生さんより得意ではありますが、それだけであり、学生と教員の差なんてしれてますし、ましてや学生同士の場合は学年の差なんてほとんどないに等しいです。そのため、助け合いにおいても学年は関係ありません。先輩だから、後輩だからなどのように考えず、お互いに助け合うことが重要になります。そういう意味で、先輩面したいひとには向いていない研究室かもしれません。

ちなみに、他所属の先生や学生に言われることが良くあるのですが、そうした助け合いのせいか、単純にそうした学生さんたちが配属されるからなのか、不思議なくらいに学年を越えて仲が良いです。ちょくちょく外部のひとから見ると先輩・後輩の関係がわからなくなるそうです。

 

研究室配属について

研究室配属では、皆さんご存知の通り「学生による研究室の順位」と「教員による学生の順位」を利用し、安定マッチングアルゴリズムを適用することによって配属先を決定します。そのため、研究室配属の可能性を高めたい場合は、教員による学生の順位をを上げることが重要になります。

で、この教員による学生の順位についてですが、中村研究室では成績(GPAと私の担当講義)評価と、面談での評価を利用して決定します。つまり、成績が仮にそこまでよくなくても、面談でよい評価を得ることで、十分挽回することができますので、研究室配属を少しでも検討しているひとは、必ず1月~2月中に私との個人面談を予約し、面談を受けてください。面談の時間は20分~30分程度を予定しています。

面談の予約方法については、アナウンスしたとおりで、こちらから申し込んでください。2023年度配属学生については基本的に対面+Zoomで実施します。また、Slackで連絡いただいても大丈夫です。なお中村研究室の他の学生さんたちは私の予定を把握していますので、いつ空いているかということを先輩たちに訊いてもらってもよいかと思います。

なお、面談では是非ともこれまで作ったものなどを見せてください。もちろん自主制作だけじゃなく、これまで所属していた研究室で作ったものや、過去のプログラミング系の講義で開発したものを見せていただいても大丈夫です。また、プログラム以外の制作物を見せていただいても大丈夫です。何かないと話のネタがなくて困ることもあるので、何かもってきていただき、色々と話をしましょう。

最後に、面談で会えることを、そして中村研究室で一緒に研究できることを楽しみにしています。

 

改めてになりますが、面談申し込みページはこちらです

研究室本配属を考える学部2年生向けのメッセージ(2023年)」への1件のフィードバック

  1. ピンバック: コロナ禍の学生約30人に教員1人の研究室運営(研究室の運営方針)について(2020-2023) | 中村聡史研究室

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