中村聡史研究室

明治大学 総合数理学部 先端メディアサイエンス学科: Human-Information Interaction / Lifelog / BADUI

SIGHCI174で「ビジュアルイメージを用いた記憶トリガ管理システムの提案」というタイトルで発表してきました(松田滉平)

   

夏もすっかり終わりを迎え,時折訪れる冷たい風に季節の変化を感じることが多くなってきました.中村研究室修士1年の松田滉平です.

8月23〜24日に京都の聖護院御殿荘で開催された第174回 情報処理学会ヒューマンコンピュータインタラクション研究会に参加し,「ビジュアルイメージを用いた記憶トリガ管理システムの提案」というタイトルで研究発表してきましたので,その報告させていただきます.

 

タスク管理はとても大変!

突然ですが皆様はタスク管理をしていますか? あるいは何を使って管理していますか?

タスク管理のツールには,手帳やスマートフォンの管理アプリなど様々なものがありますが,その多くが文字を中心としてタスクを扱っています.

しかし,従来のタスク管理ツールは「文字として記述する手間」や「タスクの数が膨大になった時に見返す労力」から,重要度の高いタスクはともかく「個人的な細かいタスク」や「やりたいことであるWantToDo」は管理することは少ないかと思います.

例えば,「シャンプーが切れたから補充するため買いに行こう」と思ってもタスク管理ツールにわざわざ登録するまでもないと考えてしまい,その結果管理されなかったタスクは忘れ去られることになり,なかなか達成までに至らないことでフラストレーションがたまる原因になります.

 

文字ではなく写真によるタスク管理

私たちはそのような問題を解決するために,ビジュアルイメージによるタスク管理システムを提案しています.このシステムは,ビジュアルイメージである写真をタスク管理に活用することで,文字で管理するときに起こり得る,記述の手間や,タスクが多くなったときの見返す労力の解決を目的としています.

以前のHCI研究会では「PhoToDo:写真によるToDo管理システムの提案」というタイトルで上記の内容の研究を発表し,写真によってタスク管理におけるハードルを下げることが可能であることを明らかにしました(以前の発表報告記事はこちら).

しかし,ビジュアルイメージをタスク管理として扱ううえで時間経過によって重要度が変化するタスクに未対応という問題がありました.つまり,全てのタスクの位置や大きさをユーザが任意に設定することで重要度を表現できたのですが,締め切りなど特定タイミングで重要度が変化するときにもユーザが重要度を設定する必要があり,手間になったり重要度が低いまま忘れ去られるという問題がありました.

そこで,今回の研究ではこの問題点を解決するために,タスクの締め切りに合わせて大きさと位置を自動的に変更するような仕組みを実現しました.この仕組みにより,ユーザは上部分だけを意識すれば重要度を判断できるようになっています.

このシステムをiOSアプリとして実装し,実験協力者に1ヶ月半の間使ってもらいました.その結果,文字ベースのタスク管理ツールでは登録しないような細かいタスクを管理しており,比較的短時間で達成する傾向にありました.

また実験協力者によっては,締め切りに合わせて自動で上昇する機能を締め切りがないタスクに対しても使うことで,タスクの達成を後回しにする事態を避けるような管理の仕方をしている人がいました.今回は,締め切りに合わせた変化のみに対応しましたが,「研究室にきたらできるタスク」のような場所に応じた変化など,様々なタイミングに合わせた提示方法があるので,そこも考量する必要があると考えられます.

iOSアプリとして公開中!

このシステムを実装したiOSアプリをAppStoreにて公開しています.よろしければ是非お使いください!

発表スライド・原稿リンク

発表に使用したスライドと,原稿へのリンクを載せておきますので気になった方はご覧ください.

松田滉平, 中村聡史. ビジュアルイメージを用いた記憶トリガ管理システムの提案. 研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI), 2017-HCI-174, no. 15, p. 1-8

おわりに

今回のHCI研究会は合宿形式ということもあり,他の参加者との深い交流ができました.その中でも,「歴史と文化とインタラクション」というテーマで行なったナイトセッションでは,「歴史と文化にまつわる問題点を解決できるインタラクション」について議論し,その議論の過程で今まで知らなかった知識を知ることができて楽しめました.

余談ですが,開催場所の聖護院御殿荘で出された京都料理は,最初見たときは少ないなと思っていましたが,食べても食べても次々と料理が出てきたのでとても満足できました.改めて京都料理のすごさを感じました.

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