中村聡史研究室

明治大学 総合数理学部 先端メディアサイエンス学科: Human-Information Interaction / Lifelog / BADUI

第96回グループウェアとネットワークサービス研究会参加報告(白鳥、田島、土屋)

   

中村研究室B3の白鳥、田島、土屋です。

今回10月2,3日にかけて岐阜県の高山市で行われた第96回グループウェアとネットワークサービス研究会に参加し、発表をしてきました。発表の報告に関しましては個人で報告いたします。こちらの記事では研究会全体の参加報告をさせていただきます。下の写真は研究会の様子です。

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二日間に渡り色々な研究の発表が行われていましたが、ここでは三人それぞれが興味を持った研究を二つずつ紹介させていただきます。

 

白鳥

・「協調作業支援システムへの紙媒体による作業の特徴の活用に関する考察」今本恕、高田秀志(立命館大)

この研究は、議論の場で、他者と協力して情報を収集し共有する際に、情報雑誌などの紙媒体で作業をする場合の利点を、携帯端末で作業する場合にも利用しようというものです。
まず紙媒体と携帯端末でそれぞれ作業を行ったときのメリットとデメリットを洗い出すことで、紙媒体の「他者と役割分担をする行動」という特徴を見つけ、携帯端末において、一人一人の検索クエリを制限することにより擬似的に役割分担という事象を発生させることで議論が活性化するのではないかと提案していました。
システム構築はこれからという話だったのですが、この検索クエリの制限が、人間んに対して負荷のかからないものであるならば、実際に用いるうえで面白いなと思いました。検索クエリを制限せずに役割分担したときと、そうでないときの議論にどのような違いがあるのか気になるところです。

・「性別に特有な身体操作を実装した対話エージェントとのインタラクション評価」石王拓斗、渡邊貴文、久保愛彦、神田智子(阪工大)

対話エージェントとの円滑なインタラクションを実現するために、対話エージェントと人との関係性を調査した研究です。この研究は、コンピュータの中に、アンドロイドのような擬人化エージェントが写っていて、そのエージェントと対話することで関係性を調査しています。
対話エージェントは人間の男女で特有のポーズや振る舞いをするようになっており、人間らしい振る舞いをする対話エージェントには面白さを感じました。結果としては、それを見た人は自然で人間らしいという印象を持ち、女性的な振る舞いをする女性の対話エージェントに対しては、女性は良い印象を持たないが、男性は良い印象を持つということでした。
この研究によって、性別の違いによる振る舞いへの印象の違いや、それを人間が行ったときとエージェントが行ったときでの違いを知ることで、人間とエージェントとの間にはどのような関係が結ばれるのか、性別に特有な振る舞いをしたときに印象は変わるのか、また、人間とエージェントで同じ振る舞いをしたときに印象は違うのかなど、今後このようなエージェントを普及させていく上では、非常に興味深いことがわかってくるのかなと思いました。
将来、エージェントだけでなく、アンドロイドや、Pepperくんなどのヒューマノイドロボットが身近になってくると思うので、そういったロボットそれぞれでも印象が違ってくるのでしょうか。

田島

・「会話弱者のための話速アウェアネスシステムの提案」叶璟、井上智雄(筑波大)

この研究では、海外で非母言語を使わなくてはならない状況にある人と聴力の弱い人のために、海外の人または健常者に話速を計測する機器を身につけさせ、早口であると判定された時に警告を出して相手が聞き取りやすいような発言を心がけさせるシステムを提案している。
このシステムがどこで役に立つのか考えた時に一番最初に思いついたのが2020年に行われる東京オリンピックであった。日本に訪れる人の中で日本語を流暢に話せる人は少ないであろうと考えられる。「おもてなし」を掲げるのならば相手を気遣うことを促すこのシステムはそのスローガンにぴったりであると感じた。

・「Twitterソーシャルグラフに対する言語行為論に基づく行動情報付与の研究」福沢嘉恵(電通大)、今江崇(導線設計研究所)、兼子正勝(電通大)

この研究では言語行為論に基づいた発言の行為の特徴に注目することによって、Twitterにおける人々の購買意思に影響を与えるようなインフルエンサーユーザを特定、また、それらのユーザの特徴を把握し、いくつかの型に分類した。それによって、企業が広告する際にどのようなユーザを対象にすれば効率的なのかを参考にすることができるようになった。
私はTwitterを日常的に使用しており、企業が考えなしに無差別かつ大量に広告をタイムラインに載せているという印象を持っており、不満を抱いていたため、企業が効率的に広告を行えるようになる可能性のあるこの研究に興味を持った。完全にTwitter上の広告を遮断できなくても、まだ考えのある広告がこの研究をもとにして行われて欲しいと感じた。

土屋

・「飲食店口コミサイトをお対象にした評価分抽出」川又亜弓(東京都市大)、立澤裕樹(プラスアルファ・コンサルティング)、岡誠、森博彦(東京都市大)

こちらの研究では、近年増えているぐるなびやRettyなどの飲食店口コミサイトから料理に対する評価のみを抽出するといったものになっています。
あるお店に対する口コミは料理に対するものだけではなく接客や内外観などの店舗自体に対しての口コミといったように情報量が多いものとなっています。そのためユーザが最も必要としている料理に関する口コミが埋もれてしまっているため料理に関する口コミのみを抽出することで店舗選択の際の手助けをするというものです。
私自身も口コミサイトを利用する際に情報が多すぎて、なかなか店舗を決めることができないことが多くあるため実装されると便利だと思いました。料理に関するものだけの抽出ではなく、接客や内外観など情報ごとに抽出可能になると更に便利になるのではないかと思いました。

・「携帯端末を利用するアドホックグループのためのOrientation-Awareな情報共有環境」塩見和則、高田秀志(立命館大)

友達と旅行に行こうとした際に幾つかのパンフレットを見ながら会話をすることもあると思います。その際には普通にパンフレットを見せ合い情報を共有しながら旅行先を決めることと思います。
しかし近年スマートフォンの普及により紙媒体での情報が電子化しています。そのような電子情報をパンフレットのような紙媒体と同じように友人と情報の共有ができるように、スマートフォンなどの電子端末間で容易に情報を共有しようとする研究になります。
その方法としては、自分端末上のpdfなどの情報を送りたい相手の方へフリックすることで情報を送るといったものになります。
まだ研究段階ではありますが、これが実現されればスマホを扱いながらの友達との会話や議論等で情報の共有が容易になり、意思決定の支援を行えると思いました。

 

今回三人とも初めての学会での発表で大変緊張しましたが、比較的しっかりとした発表ができたのではないかと思います。また上述の通り、他の方の研究発表では普段自分たちがあまり触れていない分野の研究が多く、興味深いものばかりでした。またこれから研究を続けていくためのモチベーションにもなりました。次の学会ではさらに良いものを発表できるよう励んでいきます。

研究会の空き時間では、3人で岐阜県高山市を歩いてきたり、ラーメン食べたりと充実した時間を過ごしてきました。

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