中村聡史研究室

明治大学 総合数理学部 先端メディアサイエンス学科: Human-Information Interaction / Lifelog / BADUI

第47回EC研究会で「動的なフォント融合による文字デザイン支援手法」というタイトルで発表してきました(斉藤絢基)

   

最近家庭的なシーンを見せつけられると涙腺が緩んでしまい、老化が進んでいるなと実感する毎日を送っています。こんにちは、中村研究室B4の斉藤絢基です。

3月16日に電気通信大学で開催された第47回情報処理学会エンタテインメントコンピューティング研究会 研究発表会にて、「動的なフォント融合による文字デザイン支援手法」というタイトルで研究発表をしてきたので、そちらの報告をさせていただきます。

あらまし

近年、ポスターや動画、マンガなど個人によるコンテンツの創作・発信が容易になりました。このようなコンテンツは文字を伴う場合が多く、この文字を適切なデザインにすることがコンテンツとしての完成度をあげることができます。

文字デザインを行う際、自分のPCにインストールされたフォントから選択する方法が考えられますが、まず和文フォントの数が少ないという問題があります。そこでフォントを購入してバリエーションを増やすことが考えられますが、ポスターの数文字でしか使わないのに、その度にフォント1セット買うのは少しはばかられるかと思いますし、そもそもさまざまな販売サイトから自分のほしいイメージにあったフォントを探し出すのはとても困難な作業だといえます。

今回の研究は、このような従来の文字デザイン方法の問題を解決する手法を提案し、プロトタイプシステムを実装したものとなります。

研究内容

本研究は、フォントを数式で表現し、任意の割合で融合することを可能とするものです。実際は、ユーザが入力する印象語によってフォントマップが生成され、そのマップの任意の場所を選択すると既存のフォントを絵の具を混ぜるようにブレンドして新たなフォントを生成します。

上記の手法を実現するために、以下の2点を行いました。

  • フォントに関する印象語の選出・印象付与
  • フォント融合アルゴリズムの考案

まず、ユーザの入力する印象語に基いてフォントの配置結果を変え、融合する組み合わせを動的に変化させるため、フォントに関する印象語の選出および印象付与を行いました。18種類のフォントに対して調査を行ったところ、18種類のフォントに関する形容詞対が抽出され、それぞれの印象値を算出しました。

次にフォントを数式で表現し、それらを融合することで動的なフォントの融合を可能とするフォント融合アルゴリズムを軽く説明します。まずフォントを大きさの変化する円の軌跡で表現し、フォントの芯線とフォントの太さについて、それぞれフーリエ級数展開をし数式化をします。このようにして得られた数式のサインとコサインの各係数を加重平均化することで、フォントの融合を実現しています。

 

以上のように実現した提案手法を用いたプロトタイプシステムを実装しました。こちらのシステムは写真上の文字がリアルタイムに変化するものになっています。こちらのシステムを従来のフォント選択手法であるリスト形式と比較実験を行ったところ、ユーザの満足のいく字形を獲得できるという点で、統計的に有意な差が見られました。

プロトタイプシステム

 

本手法の応用先としては、フォント製作におけるコミュニケーションの敷居を下げるツールを検討しています。例えば、漫画やアニメなどで文字のデザインを行ったり、そもそも小説自体のフォントをイメージに合うように作成依頼を怒アぬことがありますが、伝達手段が言葉しかないので、作者の意図とデザイナーが作成するものに食い違いが生じてしまう可能性があります。本システムを用いることで、手軽にコンセプト文字案を簡単につくることができるので、作者が自らイメージに合うものを出力し、それをデザイナーに仕上げてもらうことで意図の食い違いは解消することができると考えています。

内容の詳細につきましては以下の資料をご覧ください。

発表スライド

 

発表原稿

斉藤絢基, 中村聡史. 動的なフォント融合による文字デザイン支援手法. 研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC), 2018-EC-47(2),1-9 (2018-03-09) , 2188-8914.

 

感想

1ヶ月前の卒論発表会同様、発表終盤から急に緊張してしまい、しどろもどろな発表になってしまったのが今回の反省点です。いい加減直していきたいです。一方で、質疑の場で弊研究を褒めてくださったり、より良いものにするためのアドバイスをたくさんいただくことができ、研究発表は今後の研究に対するモチベーション維持につながる大切な場なんだと改めて実感しました。

最後になりましたが、本研究を進めていくにあたりサポートしてくださった中村先生、田村さん,神山さん、共に研究会に参加しお世話になりました佐藤さんにこの場を借りて御礼申し上げます。

 

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