DEIM2019で「眼鏡型集中度計測端末による行動推定」というタイトルで発表してきました(南里英幸)

      2019/06/06

初めまして!中村研究室B3の南里英幸です.少々珍しい名字で,「なんり」と言います.よろしくお願いします.全国で5000人くらいしかいないそうです.(思ったより多かった.)

3月4日~6日に長崎県佐世保市ハウステンボスで開催された第11回データ工学と情報マネジメントに関するフォーラム(DEIM2019)にて,「眼鏡型集中度計測端末による行動推定」というタイトルで研究発表してきましたので,その報告をさせていただきます.

研究概要

本研究は,その時その時の集中度合いから,行動を推定したり,思い出したりすることができるかどうかを検討する研究です.

近年では,生活を何らかの目的のために長期的にデジタルデータとして記録する行為であるライフログが注目されています.Instagramで毎日写真を投稿することや,Twitterで毎日のようにつぶやくことも同様にライフログと言えます.記録したライフログを利用することによって,昔を思い出す手がかりになったり,新たなアイデアを生み出すヒントになったりと,活用できる可能性が非常に大きいと考えられます.つまり,記録したライフログを探索することが大切になってきます.

しかし,記録したライフログを探索する際に,一つ問題点があります.ライフログは毎日のように記録をしていくことになるので,データが非常に膨大になってしまい,目的のものを探索するのが容易ではないということです.これは,私たちが目的ものを探索する際に所有している手がかりが,「あれすごくおいしかった」「あの人と一緒だったはず」「あのときめっちゃ集中してたはず」「確か山があったはず」のようなあいまいなものであるのに対し,ライフログで紐づけ可能な情報が時間や位置情報といった情報だけであるため,時間や場所以外の情報ではなかなか探すことができないということが原因です.

本研究では,探索における問題解消のため,写真に対するタグ付けに着目し,「何かにのめり込んでいる」ということを手掛かりとして,ライフログに対して行動情報を付与できるのではないかという検討を行いました.集中を扱うので,本研究ではJINS MEMEを用いました.ライフログは基本的には個人のものが一般的ですが,グループについてもこれを一つのライフログと捉えて,個人とグループについて集中度から,行動が推定できるかどうか検討を行いました.

 

本研究では手始めに,データセットの構築を行いました.①個人②グループについては以下のものを収集しました.

①個人
  • 対象:中村研究室に所属する学生5名・指導教員1名(2018年12月1日~12月31日)
  • 日常的にJINS MEMEを装着していもらい,1日6時間程度集中度を収集.実験協力者には,1日のタイムスケジュールを記録してもらいました.
②グループ
  • 対象:中村研究室に所属する学生29名・教員1名
  • 期間:2018年11月22日~12月13日の毎週木曜日のゼミナール3時間30分
  • 30名分の集中度・ゼミのタイムスケジュール・ゼミの議事録・ゼミの全景を後ろから映した動画

なお,記録した集中度は生のデータのままではブレが大きいので,平滑化を行い,これを用いて分析を行いました.

※水平方向は時間,垂直方向は集中度を表しています.

個人の分析結果

上の図はある日の実験協力者の一日の集中度の変化の様子を表したグラフです.枠線で囲まれた部分は,アクティビティごとに分割したものとなります.実験協力者は学生なのですが,授業において最後の方で集中度が急激に降下している様子から,授業が終了し移動し始めている様子が見られました.また,作業については,①と②で集中度の変化のしかたが異なっている様子が見られました.②について,①と比べて集中度が低い傾向にあるのは,直前に飲み会を経て作業に入っているため,集中度が下がっているのではないかと考えられます.また,環境も①(研究室)と②(オープンな場所)で異なっているので,その影響も可能性として考えられます.

また,こちらの結果を見ていただけるとよくわかると思うのですが,音ゲーをやっているときに集中・非集中が繰り返されていることが分かります.これをもとに,どういったことをやっているのかということを推定可能であると考えられます.ちなみに音ゲーの場合,途中でコンボが切れて集中力が切れてしまっていることもここから見て取れます.

グループの分析結果

上の図はある日のゼミナールにおける集中度を収集することができた25名分の集中度をまとめて表示したものです.25人の集中度はそれぞれ異なった変化の様子が見られますが,全員をまとめて表示すると,全体的に同期している様子が見られました.集中度が全体的に降下している部分があるのですが,これは休憩部分に該当します.これを考慮すると下の図のように,赤枠で囲んだようにゼミ全体が三部構成になっている様子が見られました.実際のゼミでも,下の図のように三部構成になっていて,発表練習において,時間が長かったもの短かったものがあったのですが,これを集中度の変化の様子を表したグラフから観察することができるということが分かりました.

続いて,上の図は別の日のゼミナールにおいて,5グループに分かれて参考文献の検索を行ったときのグループごとに分けたうち,2グループについて集中度の変化の様子を表したグラフです.赤丸で囲まれた部分は集中度の上下の変化の様子が同期している部分です.グループごとで比較すると,集中度が同期している部分がグループによって異なっている様子が見られました.

考察

以上の分析結果から,以下のことが考えられます.

  • アクティビティごとに分割すると,アクティビティごとで集中度の変化の様子が異なっている
    • 個人・グループに限らず,アクティビティを推定できる可能性
    • 同アクティビティ内でも違う内容である様子が推定できる可能性
  • グループによる集中度の変化の同期性
    • グループを推測できる可能性
    • グループのクラスタリングができる可能性

今後は日々の活動から集中度を収集することで,機械学習を用いてイベントを推定を行い,推定結果から,自動でタグ付けをするシステムの考案をしていこうと思います.

発表スライド

発表に使用したスライド以下の通りです.

発表原稿

南里英幸, 中村 聡史: 眼鏡型集中度計測端末による行動推定, 第11回データ工学と情報マネジメントに関するフォーラム/第17回日本データベース学会年次大会(DEIM2019), D3-2, 2019.03

 感想

人生で初めての九州上陸でした!

ハウステンボスの目の前にある,なんとも豪華そうなホテルが会場で,とても広かったです!700人近くの方がいらしてたらしくて,そんな中での初めての対外発表.とても緊張してました….ちゃんと発表で来ていたのか心配でしたが,興味を持っていただけた方がいらっしゃったようで,一安心しました.(実は,対外発表自体は初めてではないのですけどね….)

飛行機の着陸時の耳の痛みに苦しみつつ,修士の先輩の方々とハウステンボス・佐世保観光はとても面白かったです!にぎやかなM2の皆さんが3月に卒業ということで,少し寂しくなってしまいますが,今後中村研究室を引っ張っていく身として,先輩に恥じぬように頑張っていこうと思います!これからよろしくお願いします!

※右から三番目が私です

ちなみに,長崎旅行での唯一の心残りに,音ゲーマーとして長崎行脚ができなかったのが悔しかったです(笑)

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