淡路島夢舞台で開催されたHCI205に参加してきました(小林沙利,大石琉翔)

   

お世話になっております.B4の小林沙利と大石琉翔です.

2023年11月21日〜11月22日に淡路島夢舞台で開催された第205回HCI・第80回UBI合同研究発表会に参加してきましたのでその報告をさせていただきます.

この記事では気になった研究と聴講参加の感想を書かせていただきます.

 

気になった研究

非常に興味深い研究がたくさんありましたが、ここでは小林と大石が特に気になった研究を1つずつご紹介します.

小林が気になった研究

敵対的生成モデルに基づく活動人口の波形描画を用いた混雑寿命予報
安納爽響(東京工業大学),坪内孝太(LINEヤフー株式会社),下坂正倫(東京工業大学)

こちらの研究はイベントの混雑の発生から消滅までの一連の予測を行う研究になります.

著者らは,イベント下の群衆混雑を予測するために人口密度形状のモデル化を提案しました.人口密度の推移を形状として捉えると,単純な人数の増減に加えて推移の傾向が反映されるため,混雑の一部始終の傾向補足が可能になるというメリットがあります.形状的特性を精微にモデル化するため,敵対的生成ネットワークを用いて形状を学習した結果,既存の混雑予報手法と比較して,より小さな誤差で混雑を予測可能であることが明らかにしていました.

発表内で,イベント下の混雑には様々な形状があると仰っていたことが印象的でした.例えば,スポーツの試合では,観客がスタジアムで観戦をしているため試合中の群衆密度は横ばいに推移しますが,コミックマーケットや東京モーターショーなどの展示会では,イベント開催中でも目的が終われば帰る観客は多いので,徐々に群衆密度が減少するそうです.混雑には種類があり,それらを形状として捉えて学習するという発想が自分には無いものだったので興味深かったです.

 

 

大石が気になった研究

イヤホン型脳波計測装置を用いたニューロフィードバックが金融意思決定バイアスに与える影響
西下慧 (株式会社日本総合研究所),村越まひる (エヌ・ティ・ティ・データ経営研究所),茨木拓也 (VIE STYLE株式会社)

こちらの研究は,意思決定バイアスである損失忌避とリスク回避に対し,イヤホン型脳波計測装置を用いたニューロフィードバックによる訓練で変容できるかを検討した研究になります.

著者らは,一般消費者が投資・資産運用を行う際の課題として,投資に対する心理的不安に着目した.人間は利得/損失額あるいは確実性/リスクの過大・過小評価による非合理的な意思決定があり,このような意思決定バイアスをニューロフィードバック(脳波計測を通じて脳活動を可視化し,特定の脳波パターンを目指して訓練する技術)により取り除くことができるのかを検証しました.結果として,ニューフィードバックによって訓練することでリスク回避のバイアスを低減させることができることを明らかにしました.

私自身もこのような過度なリスクを避ける傾向にあり,損をしている可能性があると思ったので非常に興味深かったです.また,脳波を可視化して訓練すれば色々なバイアスも取り除けるのではないかと,ニューロフィードバックの可能性を感じました.今後の研究が気になります.

 

感想

多岐にわたるテーマの研究発表を聴くことができ,とても充実した2日間でした.学会中に開催された懇親会では,ほかの研究室の学生や先生方と交流しました.

会場前のテーブル上に作られていたチロルチョコ文字

 

宿泊したホテルでは朝食ビュッフェを楽しむことができました.淡路島産の甘みが広がる玉ねぎをつまみながら味噌付きの焼きおにぎりをお茶漬けにして食べると,1日のエンジンがかかる気分になりました.朝日に味付けをするならこんな味が良いなぁと思いました.

 

また色々なところに出張にいけるように,今後も研究活動に励みたいと思います.最後までご覧いただきありがとうございました.

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