中村聡史研究室

明治大学 総合数理学部 先端メディアサイエンス学科: Human-Information Interaction / Lifelog / BADUI

第172回ヒューマンコンピュータインタラクション研究会にて「街歩き時の視線ログ分析による迷子特徴に関する調査」というタイトルで研究発表してきました(神山拓史)

      2017/03/18

水温む季節となりましたが,まだまだ朝晩の冷え込みが激しい中,いかがお過ごしでしょうか.
中村研究室 B4の神山です.

この度,2017年3月6日(月)〜7日(火)に横浜・八洲学園大学で開催されました第172回ヒューマンコンピュータインタラクション研究会(HCI172)において,「街歩き時の視線ログ分析による迷子特徴に関する調査」というタイトルで発表させていただきました.そちらの報告をさせていただきます.

 

研究概要

みなさん,街の中を歩いている際に迷子になった経験ってないですか?スマートフォンなどが普及し,簡単に地図やナビゲーション機能を利用できるようになった現在でも,迷子になってしまいますよね.自分もよく迷子になる一人です.

このような迷子を解決する手段として様々な研究が行われていて,特に視認性の高いランドマークを使った,記憶しやすいナビゲーションによって迷子を解決しようとする研究が多く行われています.しかし普段人が歩行する際に,どの程度ランドマークを頼りにして歩いているかの基礎的な検討がなされている研究はまだ存在しません.

そこで本研究では,特に迷いやすい事で有名な新宿駅周辺にて16名を対象とした10個の経路を回るオリエンテーションからなる歩行実験(下図.1~2時間程度)を行い,メガネ型視線検出装置を用いることで視界や視線のデータを収集しました.実験で使った経路を示した地図,ならびに実際に迷っている時の映像の一部がこちらです.


 

そして,それをもとに実際に迷子になった際の人間の視線がどこを向いているのかの傾向についての分析を行いました.その結果,迷子になる人,また迷子になりやすい人の視線の動きについて以下のようなことが明らかとなりました.

  • 歩行者の中でも進行方向が同じ人を見る時間の割合が多く,対向者をあまり見る時間が少ない.
    • これは従来の認知の研究でも「迷いやすい人は動的なものに注意を向けやすい」ということが明らかになっていたため,視線の動きについても同様のことが言えました
  • 景観や建物を見る時間の割合が多い.
    • 例えば,上下に道が入り組んでいる場所では上から見る景色と下から見る景色とで違う差があり,多くの人が迷ってしまいやすい場所でした(下の2枚の写真).景色を見る時間が長いとこのような場所の影響を受けやすいと考えられます.
    • また,従来の迷子を支援する研究ではランドマークを用いることが多かったのですが,それが必ずしも効果的ではないことが明らかになりました.

この研究の論文はこちらから.また発表スライドは以下のSlideShareをご覧ください.

 

感想

この発表が1日目の2件目の発表ということでいつもよりかなり緊張してましたが,練習のおかげでなんとか無事発表を終え,また色々な方から反響があったので一安心です.

質疑では「道に迷ったあとにちゃんとリカバリーができないのでは?」という質問を頂き,「同じ道を引き返したりなどして最終的に目的地辿り着いた」と答えたのですが,同じ道を引き返したあとに「地図をずっと見ながらなぞるように歩いた」「人の流れを見て歩いていた」などどのように歩いていたかということについて言及すればよかったなと後悔があります.

また,「どのように道に迷ったかの状況による分類もしてみては?」「デパートの館内でも是非やって傾向を明らかにして欲しい!」などのたくさんのご意見もいただいたので,今後の研究の参考にさせていただき,これからもより一層精進したいです.

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