中村聡史研究室

明治大学 総合数理学部 先端メディアサイエンス学科: Human-Information Interaction / Lifelog / BADUI

第181回HCI研究会で「ひとの評価にあった手書き文字の類似度評価手法の提案」というタイトルで発表してきました(新納真次郎)

   

ハイサーーーイ!!!

 

みなさんこんにちは!海を見ちゃうと興奮しちゃう埼玉県民の中村研究室M2新納です!

今回は沖縄県の石垣島にて2019年1月21日,22日にかけて行われた第181回ヒューマンコンピュータインタラクション研究会で「ひとの評価にあった手書き文字の類似度評価手法の提案」というタイトルで研究発表してきましたのでご報告させていただきます。

 

どういう研究か?

今回の研究もこれまでやってきた手書きに関するネタの1つで,ひとが思う手書き文字の類似度を計算するということに取り組んだ研究となっています。

主観評価と定量評価

 

たとえばみなさんはこれらの文字を見た時にどちらの文字が似ていると感じますか?

どちらが似ているか?

多くの方はAの方の文字をより似ていると感じたのではないでしょうか。
それではどういった要素から文字を似ていると判断しましたか?

本研究では,ひとが文字を見た時に似ていると感じる要因として大きく分けて2つの要素が関わっているのではないかと考えました。

1つ目は,文字の1画1画を構成するストロークにおける要素です。具体的にどのような要素かというと,

  • ストロークの点列座標
  • ストロークの曲がり度合い(曲率)
  • ストロークの長さ
  • ストロークの大きさ(ストロークを外接する矩形の面積)
  • ストロークの縦横比(ストロークを外接する矩形の縦横比)

などといったものです。2つ目は,これらのストロークを構成する文字全体の要素です。具体的にどのような要素かというと,

  • 文字全体の縦横比
  • 角度による1画1画のバランス(コサイン類似度)
  • 座標による1画1画のバランス(重心距離)

などといったものです。本研究ではこういった要素を考慮すべく,下図に示すような類似度に関する9種類の指標を定義しました。

今回用意した9種類の類似度指標

また,どの指標をどの程度考慮すべきなのかを明らかにするために,文字に対するひとの主観的な類似度評価データと各指標の計算結果を照らし合わせるということを行いました。実際には各指標の類似度を説明変数とし,類似度評価値を目的変数とする重回帰分析をすることで,

1画の文字の場合:

2画以上の文字の場合:

のような評価式を導出することができました。ちなみに先ほど見せた「あ」について、それぞれの類似度を計算した結果が以下のようなものになりました。

本提案手法による類似度計算結果

 

さらに本研究では,実際にこの評価式を用いて平均手書き文字・図形に関する特性解明に適用してみました。

まずはじめに,ひとが書いた文字を一定数の回数で平均化したらある形に収束するという特性についての調査を行いました。ここでは,10回書いてもらった文字のうち偶数回目に書いてもらった文字を平均化したもの(偶数平均文字)と,奇数回目に書いてもらった文字を平均化したもの(奇数平均文字)をつくり,それらの類似度についてをユーザ内とユーザ間で調べていきました。結果として,ひらがな50音において平均99.5%の精度でユーザ内の偶数平均文字と奇数平均文字が最も類似度が高いという結果になっていました。このような結果から,5回の平均である程度ある形に収束しているということがわかりました!

「あ」についての各ユーザの偶数平均文字と奇数平均文字の類似度

 

またこれまでの研究でも行ってきた利き手と非利き手の平均文字の類似性[佐藤 2018]について検証したところ,これまでの結果と同じように類似する傾向が見られました!また平均図形[新納 2015]においても適用したところ,自身の利き手と非利き手の平均図形が顕著に類似度が高い結果になっていることがわかりました。

「かわいいコックさん」についての各ユーザの偶数平均図形と奇数平均図形の類似度

 

といったように今回このような定量的に「文字の似ている度合い」を評価できる手法を確立したことで,今後もこのような手書きの特性解明をする研究に活用できるのではないかと考えています。

詳しい内容は発表スライドや論文を見ていただければと思います。

新納 真次郎, 中村 聡史, 鈴木 正明, 小松 孝徳: ひとの評価にあった手書き文字の類似度評価手法の提案, 情報処理学会 研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI), 2019-HCI-181 (24), 1-8 (2019-01-14), 2188-8760 (2019/01/22).

発表を終えて

今回の発表は完全に練習不足で挑んでしまい,とってもグダグダな残念な発表になってしまいました。

それでも色々な人から意見や励みになるコメントをくださったり,先生には「修論発表会では頑張るように!」と励ましていただいたおかげて,修論発表会ではなんとかちゃんとした発表をすることができました。また今回の件を通して,中村研のメンバーと一緒にやる発表練習の重要性を再確認することができました。これからこのような教訓をOBとして後輩にも伝えていきたいと思います!

癒しの石垣島

グダグタの発表でかなり落ち込んでいたのですが,ダメだったことを忘れるぐらい石垣島はいい島でした。普段ではできない経験をたくさんすることができました!たのしかったです!

埼玉では絶対に食べる機会がないと思われる「ヤシガニ」

島と島の移動手段「水牛」

絶対かぶるもの逆!!っていう写真

中村研究室での思い出

最後に,今回の研究会発表をもちまして中村研究室での研究活動は最後になります。(最後がグダグダな発表で心苦しいですが)

中村研究室に入って4年間,振り返ると楽しいこともあれば,時には辛いこともたくさんありました。

最初は学会発表なんて自分には縁のないもので,何もしないまま卒業していくんだろうなと研究室紹介の時思いながら聞いていたのですが,いつのまにか中村研に配属されていて,いつのまにか研究が始まり,いつのまにか原稿を書いている状況になり,夏にはもう学会で発表してる,といったようにいつのまにか昔では想像できないすごい姿になっていました。

一期生ということもあり先輩がいないという特殊な環境で,正直わからないことだらけで不安の毎日でしたが,こうして頑張れたのも中村先生と周りの研究室のメンバーが助けてくれたおかげです。文面だけでは到底感謝を伝えきれないですが,本当に本当にありがとうございました。

これからもいいお知らせができるように,社会に出ても頑張りたいと思うので宜しくお願い致します。

最後にいくつか思い出の写真を載せてお別れしたいと思います!笑

 

研究室に入って早速右腕を故障する男

 

初めての学会をやり遂げて,中村研ポーズ誕生

 

初めての海外発表で,謝罪会見スタイルの質疑応答

 

ただのどっかの部活

 

最後まで愉快な研究室メンバー

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