はじめに
中村研究室B3の関口祐豊です.
2021年11月30日,12月1日の2日間にわたって淡路島で開催された第195回HCI研究会に参加してきたので,報告します.自分は現地で「三択の選択肢の色の組み合わせが選択行動に及ぼす影響」というタイトルで発表させていただきました.
研究内容
今回の研究では,三択の選択において,色が選択行動にどのような影響を及ぼすのかを調査しました.
はじめに,我々は日常生活において多くの選択を行う機会があり,選択行動は様々な要因の影響を受けています.選択行動に影響を及ぼしている要因の中でも我々は色に着目しました.
ここで,みなさんは下の3つの色が異なる車のうちどの車を購入したいと思いますか??
このような選択を行う機会は多いと思いますが,色によってどのような影響を受けているのかというものを選択行動の心理的効果の一つのゴルディロックス効果という効果に着目して調査しました.ゴルディロックス効果とは,
3段階の選択肢があるとき,人は真ん中の選択肢を選びやすい傾向にあるという心理現象
のことをいい,別名「松竹梅の法則」や「極端の回避性」などとも呼ばれます.
上の画像の例では,S,M,Lの3段階の大きさのポテトでは真ん中の大きさのMサイズが選ばれやすいというのがゴルディロックス効果です.
そして我々は,
ゴルディロックス効果が色にも適用できるのではないか?
という仮説を立て,色における真ん中の段階を混色と表現して実験を行いました.
その結果の表が以下のものになります.
<女性>
<男性>
女性は混色の選択肢に選択が誘導される傾向にあり,男性は混色以外の選択肢に選択が誘導される傾向にある
ということがわかりました.
男性と女性で結果に違いが生じたことから,
男性と女性では色の見え方や感じ方が異なる可能性が示唆された
また,下の画像のように3つの商品のうち2つの商品の色が似ている類似色が存在する場合,
男女ともに,非類似色に選択が誘導される傾向にある
ということがわかりました.
先程の上の画像の例だと,緑色が好きな人でも青色に選択が誘導されてしまっている.
また,選択時間に関する結果では,
- 選択肢の数が増えると,選択時間が長くなる
- 混色を選択する際は,選択時間が長くなる
ということがわかりました.
さらに,選択位置に関する結果では,
- 女性は真ん中を,男性は真ん中と右を選択しやすい
- 女性は混色の位置が真ん中にあるとき,混色を選択しやすい
- 男性は混色の位置が右側にあるとき,混色を選択しやすい
ということがわかりました.
今後,これらの結果を応用した選択の公平性を実現していきたいと考えています.そのためにも,今後も調査を深掘りしていければと思います.
詳細は下記スライドや原稿をご参照ください.
スライド
論文情報
感想
初めての学会発表なので緊張はしましたが,それ以上にみんなと淡路にいけた楽しさの方が強かったです!!本当にめちゃめちゃ楽しかったです!!来年も行けるように頑張ります!
最後になりますが,お忙しい中,面倒を見てくださった植木さん,横山さんをはじめとする研究室のメンバーと中村先生に感謝を申し上げます.
ありがとうございました!
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