はじめに
こんにちは,中村研M1の鳩貝怜央です.
2026年3月9日〜11日に芝浦工業大学で開催されたHCI217にて「映像コンテンツ視聴における部分的英語字幕の遅延提示がリスニングに及ぼす影響」というタイトルで発表を行ってきましたので,ご報告をさせていただきます.こちらの研究はEC75で発表させていただいたものの続きとなっていますので,ぜひ合わせてご覧ください.
研究概要
背景
みなさま,英語音声の海外ドラマや映画を視聴する際に吹き替え版ではなく,字幕版で視聴した経験はありますか?
音声が英語で字幕が日本語の場合,映像ではなく字幕ばかり見てしまいませんか?また,字幕と音声のどちらも英語の場合,そもそもある以上英語が得意でないと内容を理解できません.
そこでこれまで,字幕を通常時は日本語で,学習者にとって馴染みのあるシーンでは英語に切り替える字幕提示手法を提案してきました.
このように切り替えて提示することで,知らない単語やフレーズの意味を学習者が能動的に思考するようになり,学習効果が向上すると考えました.また実験の結果,通常の字幕と比べて差がなかったものの,TOEICの点数が高い参加者には効果がある可能性が示唆されました.
今回の手法
これまでの研究では,字幕が音声と同時に提示されるため,音声を聞き取る前に字幕を読むことができてしまい,リスニングへの学習効果を十分に高めることができなかった可能性が考えられます.そこで,今回の研究ではこれまでの切り替える手法を改良し,英語字幕に切り替わる際に遅延をかける手法を提案しました.
字幕を遅延させることで,学習者はセリフと同時に字幕を読めなくなるため,音声を集中して聴くようになると考えました.
実験
今回の遅延手法と,これまで提案してきた手法を比較することで以下の仮説を検証しました.
- 提案手法は比較手法よりも聞き取りへの学習効果が高い
- 遅延されることにより字幕が一時的に消える提案手法は比較手法よりも認知負荷が高い
実験では,いずれかの手法を用いて英語の短い動画を見てもらい,書き取りを行うものを実施しました.映像作品は,使用されている英単語の難易度が高すぎず、会話速度の早いものとして,海外の幼児向けアニメである「おさるのジョージ」を選定しました.
結果
書き取りでの正答率の比較を行いましたが,手法間で有意差はなく,1つ目の仮説通りの結果にはなりませんでした.
手法による認知負荷を調べるために、手法間のRaw-TLXを調べました。Raw-TLXとは、NASAが開発した、作業の精神的負荷を主観的に評価する手法であるNASA-TLXの算出方法を簡略化したものです。結果として、作業成績以外の項目で提案手法が高くなったため2つ目の仮説通りの結果になりました。
発表スライド
論文情報
感想
初めての東京学会で、1年ぶりの学会発表でした。ただ、発表直前までスライドを修正していたため1ページだけミスしてしまいました。🫢
東京学会で近場だったのでお台場に行きました!
最後になりますが,ご指導いただいた中村先生,研究室の皆様に感謝を申し上げます.本当にありがとうございました.






