HCS研究会で「処理遅延のあるシステムにおける待機時間とプログレスバーの 進行速度変化がユーザの離脱行動および感情状態に及ぼす影響」というタイトルで発表してきました(宮本快士)

投稿者: | 2025年7月22日

はじめに

お久しぶりです!

中村研究室B4の宮本快士です.

2025年6月1日・2日に沖縄産業支援センターで開催されたヒューマンコミュニケーション基礎研究会(HCS)にて研究報告を行いましたので,ご報告させていただきます.

「処理遅延のあるシステムにおける待機時間とプログレスバーの進行速度変化がユーザの離脱行動および感情状態に及ぼす影響」というタイトルで発表しました.

この研究はHCS2024年8月研究会で発表した研究の続きですので,よろしければそちらも併せてご覧ください.

 

研究概要

皆さんもネットサーフィンをしているときに読み込みに時間がかかり,待たされる経験があるのではないでしょうか??

多くのウェブサイトでは,読み込み中の待機画面にプログレスバーなどの読み込みがどこまで進んだかを教えてくれるものが表示されています.

プログレスバーなどのような進捗インジケータと呼ばれるものを表示することで体感時間が変化することが知られています!!

我々は,待機画面に表示したプログレスバー進行速度変化がユーザがブラウザバックやリロードなどの離脱行動にどのような影響を及ぼすかを研究しています.

これまでの研究では,待機時間に幅を持たせて実験を行っていたため,常に待機時間が長い処理遅延のあるシステムでのユーザの離脱行動について検証できていませんでした.

本研究では,処理遅延のあるシステムにおいてプログレスバーの進行速度変化がユーザの離脱行動や感情状態にどのような影響を与えるかを調査することを目的としました.

今回実験に使用したプログレスバーの進行速度変化の例です.
皆さんはどのプログレスバーが表示されたらイライラしますか?

実験ではページを遷移しながら情報探索を行うタスクを実施しました.待機時間は3~5秒がランダムで出る条件と8~10秒がランダムで出る条件となっています.情報探索タスク終了後にアンケートに回答していただきました.

その結果...

進行開始時の速度が遅いとユーザがブラウザバックやリロードをしやすい傾向があり,特に待機時間が9秒程度のシステムでは進行開始時の速度が遅いことで,ユーザのシステムへの信頼性やシステムへの評価が低くなる傾向が見られました.

そのため,処理に時間がかかるシステムではプログレスバーの進行開始時の速度を速くすることで,ユーザの離脱を抑制し,システムへの評価の低下を防ぐことができると考えられます.

 

質疑でいただいた質問やコメント

  • プログレスバーだけの話になってしまっていて,本当の目的からそれてしまっているのではないか?
  • 遅延時間があるとどこまで誤魔化せれるかの話に持って行ったほうが良いのではないか?

 

スライド

 

論文情報

宮本 快士, 三山 貴也, 中村 聡史, 山中 祥太. 処理遅延のあるシステムにおける待機時間とプログレスバーの進行速度変化がユーザの離脱行動および感情状態に及ぼす影響, 信学技報, Vol.125, No.46, HCS2025-19, pp.89-94, 2025.

 

おわりに

今回は飛行機に乗ることができたので,これまで以上に遠くに来た感じがして楽しかったです!!

どこで何を食べても期待以上に美味しかったのが印象的でした.結構自由な時間があったので,国際通りに行ったり,アメリカンビレッジに行ったり首里城に行ったりしました.あと,温泉に入ったりもしました.

 

 

 

 

 

 

 

今回は予定を色々立ててくれたり,予約もしてくれたりとなんでも計画的にこなす頼りになる同期と最強の先輩と一緒に沖縄に来れて幸せでした.だいぶ遅れて1ヶ月以上前のことを思い出しながら書いていますが,本当に充実した旅になったなと感じています.二人とも本当にありがとう!!

最後になりますが,論文執筆と発表に関して多くのアドバイスをしてくださった先輩方や中村先生に感謝申し上げます.ありがとうございました.

B4 宮本快士

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