SIGHCI184にて「ノイズキャンセリングミュージック:音楽の印象誘導による騒音の不快度軽減効果の検証」というタイトルで登壇発表してきました(横山幸大)

   

はじめに

はじめまして!!今年度から中村研究室のメンバーに仲間入りしました、B3横山幸大です。

7/22, 23日に北海道大学で行われた第184回HCI研究会で「ノイズキャンセリングミュージック:音楽の印象誘導による騒音の不快度軽減効果の検証」というタイトルで研究発表をしてきたのでご報告させていただきます!

 

研究概要

本研究は、OBの松田滉平先輩の「ノイズキャンセリングミュージック」、M2の徳久弘樹先輩の「ノイズキャンセリングミュージック:音楽の提示により騒音の不快度を低減する手法」の続きの研究になります。

工事の音や、子供のはしゃぎ声、蝉の声などのように、私たちは日々、様々な騒音の中で生活を送っています。このような騒音の対策として、ノイズキャンセリングヘッドフォンや耳栓などがあります。しかしこうしたものは、その人にとって必要な情報(車内アナウンス、インターフォン、後輩からのヘルプ、見守りが必要な子どもの急変など)をも遮断してしまいます。

これまでの研究では、「騒音に合わせて音楽を提示する際に騒音と音楽、それぞれから受ける印象が一致する場合に、騒音が音楽に溶け込み、不快度や心理的な音量が低減される」という仮説の検証を行ってきました。しかし、実験の際に音楽から受ける印象が我々の想定と異なる場合が多くありました。これでは仮説の検証として、「印象が一致する場合」という条件の設計が不十分だと考えました。

本研究の目的は、これまでの検証であった「我々と実験協力者の音楽から受ける印象のずれ」を減らして手法の有効性を再検証することです。目的を達成するために、我々は実験協力者に映像や画像の提示をすることによって、音楽から受ける印象を統一し、再検証することにしました。音楽に合わせて映像提示をすることによって音楽から受ける印象を誘導する方法と、画像群提示をすることによって音楽に印象を付与する方法の2種類の条件で実験を行いました。

実験では、14名の実験協力者を映像提示ありなし(画像群提示ありなし)で7名ずつの2グループに分けて実験を行いました。実験手順は下図のようになっていて、各実験協力者2回ずつ行ってもらいました。

今回行った実験結果は以下のようになっています。

「映像+印象のある音楽」の条件では我々の想定通り、映像提示によって印象統一でき、前回同様、認知的な音量と不快度が低減されるという結果となりました。一方、「画像群+印象のない音楽」の条件では、不快度は低減されましたが、認知的な音量には変化が見られませんでした。

これは、画像群提示ありのグループは、提示を行う際に音楽も同時に聴いていたのに対して、画像群提示なしグループでは画像群提示の手順がなく音量評価の際に初めて、音楽を聴いたため、意識が騒音ではなく聴き慣れない音楽に向いてしまったためではないかと考えました。

これらから、手法の有効性を示すことができたとともに、聴き馴染みのない音楽が、そもそも騒音に対する意識を分散させるという可能性も示唆されました。印象誘導方法と対象音楽が、実験結果とどのように関係するのかを明確に判断するために、「?」で示された残りの2条件の実験を実施し、どういった特性をもつのか、どこに問題があるのかなどを検討していくとともに、最終的にはシステムとして実現したいと思っております。

 

発表スライドと論文

当日の発表スライドは下記のような感じでした.

論文は下記リンクからたどることができます.ご興味のあるかたはどうぞ.

横山幸大, 徳久弘樹, 中村聡史:ノイズキャンセリングミュージック:音楽の印象誘導による騒音の不快度軽減効果の検証, 情報処理学会 研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI), 2019-HCI-184,1-8(2019-07-15), 2188-8760.

 

感想

はじめての学会発表だったため、自分の番が来るまでとても緊張しましたが、サポートしてくださった先輩方や先生、同期のおかげで、時間内の発表や質疑応答など、落ち着いて行うことができました。

そして、人生初北海道でした!北海道は食べ物が美味しいと聞いていましたが「みそれ」の味噌ラーメン、「根室花まる」のお寿司、「にぎりめし」のサバトロおにぎりが美味しかったです。

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