SIGHCI184で「崩れた手書き文字データセット構築と平均化による可読性向上の検証」というタイトルで登壇発表しました(二宮洸太)

      2019/08/21

暑中見舞い申し上げます.B3の二宮洸太です.

2019年7月22日と23日に北海道大学で行われた第184回HCI研究会にて登壇発表させて頂きました.その報告をここに記します.

発表内容

中村研究室のこれまでの色々な研究で,手書き文字は平均化によってきれいになることが示されています.しかし,これまでの研究ではある程度ちゃんと書かれた文字を対象としており,立って人の話を聞きながらメモをとるなど,極端に文字が崩れた,読めない,読みづらい文字に対して,平均化手法がうまく機能するかは示されていませんでした.そのため本研究では崩れた手書き文字に平均化が適用できるかを検証しました.

検証のためにまず我々は,どのような環境であれば崩れた手書き文字を集めることができるかについて,システムを開発およびテストをすることによって,最終的に手元を見ずに手書きするような仕組みを実現しました.またそのシステムを用いて,崩れた手書き文字データセット構築を行いました.具体的には,時間制限と手元を見ないで文字を書くという環境制約によって文字が崩れる環境を設定し,意図するデータを得ました.このデータ収集実験を20人に協力してもらい,データセット構築を行いました.データセットには20人の50種の文字が10セットずつあります.実際には以下のような文字が得られました.

 

この構築データを用いて平均化を行い,平均文字を作成し,可読性を評価する実験を行いました.この評価実験は平均化前と平均化後の文字が読めるかを協力者に評価してもらうものです.平均化前は読めないが,平均化後は読めると評価されれば可読性が向上したことになります.その結果可読性が向上したと評価された文字がありました.そのため,平均化によって崩れた文字を可読化できることがわかりました.可読性が向上した文字の例を下に示します.

また考察においては平均化に際し使用する2つの文字のユーザ間に相性があるかを検証しました.

平均化はこのように2つの文字を用いて行います.この文字(1)と文字(2)を書いたユーザが異なる場合,ユーザのペアによって可読化しやすい,またはしにくい相性があるのではないかと考え,検証しました.その結果,可読化しやすいユーザのペアが観測され,ユーザ間の相性が示唆されました.

本研究をまとめますと

  • 崩れた手書き文字データセット構築を行なった
  • 崩れた手書き文字を平均化によって可読化することができる
  • 平均化に際してユーザ間の相性が示唆された

となります.

今後の展望としては,今回ユーザ間の相性が示唆されたことから,どのような文字同士だと可読化しやすいかの分析を行い,相性のよさが何に起因するかを明らかにしていきたいと考えています.

発表原稿とスライドは下記にありますので,ご興味のあるかたはどうぞ.

発表原稿とスライド

発表スライド

感想

初めての研究で右往左往しながらなんとかここまでたどり着けたといった感じです.指導してくださった先生や先輩方,また実験に協力してくださった方々に感謝です.また学会も初めてだったのですが,様々な意見を頂くことができ,貴重な経験となりました.

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