HIS2019にて「フォントと味の印象が商品選択行動に及ぼす影響」というタイトルで発表してきました(濱野花莉)

   

こんにちは、B3の濱野です!

201992日~5日に同志社大学今出川校地で開催されたヒューマンインタフェースシンポジウム2019にて登壇発表させていただきました。

発表内容

この研究は、そもそもフォントによって人の選択行動は変化するのではないかという点から始まったものになります。

例えば、下記のような2つの看板のお店があった場合に、どちらのお店に入ろうと思うでしょうか?

こうしたフォントによる誘導について、川島さん・築舘さんがこれまでにフォントによって商品の選択行動が変わるかの研究に取り組んできており、その研究の「なぜ?」の部分を明らかにするために研究しました。ちなみに、これまでの実験で川島らは、提示するフォントによってユーザの選択行動が変化するということを明らかにしており、その具体的な実験方法は、9種類からランダムに選定されたフォントで商品の味名を提示し、ユーザがその中から選択した商品を実際に食べることができるというものでした。

しかし、この研究では特定のフォントと商品の関係を明らかにしたのみで、なぜフォントによって選ばれやすい味が変化するのかが不明でした。他の味やフォントを使用した場合の推測をするためには、フォント提示から商品選択の間に存在する要因を明らかにする必要があります。

そこで本研究では、その要因のひとつが印象であると考え、提示されたフォントと印象が類似している味が選択されやすいという仮説を立てました。この仮説を検証するために、川島らの実験で使用したうまい棒・蒟蒻畑の味やフォントの印象評価実験を行いました。

評価実験では、以下の形容詞について、そのフォントまたは商品の味がどの程度当てはまるかを7段階で評価してもらいました。この形容詞対は、商品等の印象評価に関する研究([Saito 2019], [伊藤2007], [石橋2016])をもとに選定しました。

この評価実験で得られた値を用いて、それぞれの評価対象がどのような印象を有しているかを明らかにし、それらの類似度を算出しました。

しかし最初に行った評価実験では、我々の予測とは異なる印象値が得られました。これについては、主に二つの原因があると考えています。まず一つ目は、商品の味の印象を評価してもらう際に、「(商品名)の〇〇味の印象」ではなく「〇〇の印象」を評価してもらっていたことです。例えば、「うまい棒のチーズ味」の印象と「チーズ」の印象(チーズの種類にもよりますが)は異なるものだと思います。このような印象のギャップが、予想と異なる結果となった要因の一つであると考えています。

そして二つ目は、フォントの印象を評価してもらう際に、フォント名を提示してしまっていたことです。具体的には、「クリスタル」というフォント名を提示されると「四角く、かたい」といった印象を抱くのではないでしょうか。実際に印象値を見ると、「四角い」や「かたい」といった印象が強く評価されていました。また、ひげ文字もその字面が提示されることによって誘導されたものとなっていました。

上記の二点を踏まえて、我々はもう一度実験を行いました。この際、商品の味の印象評価では商品パッケージを提示し、フォントの印象評価では文章をそのフォントで表記したものを提示しました。

得られた印象値の類似度を、コサイン類似度を用いて評価した結果、仮説が支持されたもの、支持されなかったものがそれぞれ存在していました。この結果から、印象評価に用いた形容詞対には適切でないものが含まれていたという可能性を考え、さらに分析を行いました。適切であった形容詞対を明らかにするために、「形容詞対を限定した時のコサイン類似度」と「川島らの実験における選択率」の相関係数を求めました。この相関係数が高ければ、印象値のコサイン類似度が高い時選択率が高いということになります。

分析の結果、形容詞対をいくつかに限定することで(詳細は論文またはスライドを参考にしてください)0.7以上の正の相関をもつことが明らかになりました。この結果を踏まえると、評価実験などでシステムの比較や評価をする際に提示するフォントが、そもそもその結果を誘導してしまうということもありそうです。どうやったらそういった問題をなくせるのかといったことも解明していく必要があるかもしれません。

今後の展望として、

  • 印象評価に用いる形容詞対の再検討や、形容詞対以外のもの(オノマトペなど)を用いた印象評価
  • コサイン類似度以外の類似度算出方法の検討
  • 川島らの実験を、フォントの網羅性をあげるべく選定し直して再実施

の3点を考えています。

また、この研究を発展させると、学校の食堂に応用できると考えています。ぜひ食堂で試してみたいなと思っています。

発表に用いたスライドはこちらになります。

 

また、論文は下記のリンクからご覧いただけます。

濱野 花莉,細谷 美月,佐々木 美香子,山浦 祐明,中村 聡史.フォントと味の印象が商品選択行動に及ぼす影響,ヒューマンインタフェースシンポジウム2019,No.5A-2,2019.

 

感想

2度目の学会発表でしたがまだまだ至らぬ点が多く、中村先生や先輩方に沢山サポートしていただきました。ありがとうございました。何度も発表練習を見ていただいたおかげで、本番は全く緊張せずに終えることができました。

また、学会の開催地が大好きな京都だったので、京都を存分に満喫しました。毎日いろんなお店で美味しいハンバーグを食べることができて幸せでした!これはグリルデミのハンバーグです。(目玉焼きで隠れてますが…)ハンバーグの周りのタンシチューも絶品でした。美味しいハンバーグのお店を沢山紹介してくださった中村先生、そして毎日ハンバーグに付き合ってくださった先輩方、船﨑さん、ありがとうございました!

 

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