中村聡史研究室

明治大学 総合数理学部 先端メディアサイエンス学科: Human-Information Interaction / Lifelog / BADUI

第174回ヒューマンコンピュータインタラクション研究会参加報告(佐々木、田島、松田)

   

中村研究室修士1年の松田、田島と学部3年の佐々木です。

2017年8月23〜24日に京都の聖護院御殿荘で開催された第174回ヒューマンコンピュータインタラクション研究会について参加報告をします。発表報告とは別に研究会に参加した中で気になった研究や,発表参加した感想などを述べたいと思います.

会場の聖護院御殿荘

 

松田が気になった研究

GetToyIn: 仮想ドールハウスのための実世界インタフェース:尾崎保乃花,的場やすし,椎尾一郎(お茶の水女子大)

[研究内容] おもちゃを用いた遊戯は子供の心身の成長に大切である.特にシルバニアファミリーを始めとする人形遊びはコミュニケーション能力の成長に繋がると言われている.この研究では,実物体を用いた触るインタラクション良さと,コンピュータグラフィックスによる仮装ドールハウスの自由度の高さを双方生かせるシステム「GetToyIn」を提案している.このシステムの特徴として,コンピュータグラフィックスによる仮装ドールハウスと現実空間を人形が行き来しているように感じるようになっている.この仮想空間と現実空間の隔たりを意識せずに遊べる仕組みが興味深いと思いました.

文化遺産の展示鑑賞において高解像デジタル画像を活用する技術の考察:北村 啓子(国文学研究資料館)

[研究内容] 文化遺産である絵画や書物などをデータにして残すデジタルアーカイビングが世界的に行われている.しかし,そのアーカイブされたデータを十分活用できていないという問題点がある.そこで,実物としてある文化遺産の魅力を伝えつつデジタルアーカイブされたデータをうまく活用するために.AR技術を用いて実物の任意の部分に適した情報を重ねて見るという新しい鑑賞の試みを考察している.まだ,評価はなされていないが,重ねて見ることで実物にデジタル修復された画像を表示可能であることや,古い書物の翻訳を位置を考慮しつつ見せることができるのが面白い試みだと感じた.

 

田島が気になった研究

手掌部の前に配置する仮想メニューの提案と設計

[研究内容] VRやMR空間内において手掌部に表示するメニューの提案と実装、評価実験を行なっている研究です。

手のひらにメニューを表示することで身体の一部や物体がない空間にあるメニューの自己帰属感と、手のひらに表示することにによる作業効率の向上が期待できそうだと感じ、興味深い研究でした。

Anamorphiconを利用したTV会議システムの実装と提案

[研究内容] Anamorphiconという円筒型の鏡面ディスプレイウィジェットを変面ディスプレイの上に置くことで、参加者の位置、視線等を把握可能なテレビ会議システムの提案と実装を行なっている研究です。

まず、第一にこのシステムがおしゃれな点がとてもよいと感じました。課題として気になった点としては、テレビ会議システムなので複数人で用いること前提だと考えると、複数人に対応したときのユーザイビリティがどうなるのか、それぞれの人の位置や視線を把握できるのかが気になりました。

佐々木が気になった研究

物語の登場人物を把握しやすくするシステムの提案:謝涵, 西田健志(神戸大学)

[研究内容] 長い小説を読む際に登場人物が多かったりすると,その人物がどのような人だったか,どんな場面で出てきたのかを忘れてしまうことがあります.そこでこのシステムでは,登場人物の名前に絵文字を追加出来たり,その人物の初登場のページに飛ぶことが可能な機能により,読者の記憶の想起を促進しています.

私も小説を読むとき(特に海外のミステリー小説)に,あまり頻繁に出てこない登場人物の名前は忘れてしまい,何回もページを見返すことが多く,その度に億劫になってしまうことがよくあります.なので,このシステムで自分自身の好きな絵文字を登場人物に付与できると,その人物の特徴を絵文字で表現することができるし,記憶に定着しやすそうなので使ってみたいと思いました.

M系列に基づく円筒バーコードを用いたAR和服帯試着システム:奥山瑞季, 的場やすし, 椎尾一郎(お茶の水女子大学)

[研究内容] この研究では円筒面に貼り付けることが可能な円筒形のバーコード光学マーカを提案し,それを活用したアプリケーションとして,和服帯のAR試着システムを作成しました.このシステムは,和服の上から円筒バーコードがついたベルトを着用し,そのバーコードをカメラが読み取ることで,和服帯を表示するものです.

着物の帯を試着するとき,巻く作業は大変なので着物の上に当てるだけになってしまうことがよくあります.しかしこのシステムがあれば,いくつもの着物の帯を簡単に試着することができ,かつ,帯を巻いたらどうなるのかも簡単に見る事ができるので便利だと思いました.

感想

研究会のテーマとして「歴史と文化とインタラクション」ということで,いつもあまり気にかけないような歴史や文化について考えるきっかけになった貴重な経験でした.特に法然院の貫主さんを招待しての公演では,普段聞くことのないような日本での宗教と文化としての関わりについてお話になり,とても勉強になりました.

今回の研究会は合宿形式なので,他の研究者ともより深い意見交換ができるようなとても雰囲気の良い研究会でした.この研究会で得た知見を元に,今後も精進していきたいなと思いました.

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