第107回GN研究発表会にて「コミュニケーションチャネルに入り込む研究室実験募集BOTの提案と運用」というタイトルで発表しました(樋川一幸)

      2019/04/23

今月から進級してM2になりました樋川です。

3月に駒澤大学で開催された第107回GN研究会にて研究発表してきました。

研究内容

研究には実験というフェーズがあります。私たち中村研でも作ったシステムを使ってもらって有用性を検証したりアンケートをとって調査したりします。その際には当たり前ですが、実験協力者が必要になります。これまでは周りの知り合いに頼むということがほとんどで、そもそもその実験の内容を知っているためお願いできない場合や、中々人数が集まらないこと、募集に時間がかかってしまうといった問題がありました。今回の研究では、この実験協力者募集の支援ということをテーマとしています。

直接呼びかける以外の実験募集の方法として、あらかじめメーリングリストやWebサイトで登録することで実験の募集情報を受け取ることができる実験協力者プールを利用するということがあります。実験協力者プールを運用している機関であればこれを使うという方法が考えられますが、学生はメールはあまり使わないのですぐに実験募集に気がついてくれません。また、メーリングリストなどでは登録の際にメールを送って登録することがよくある方法ですが、そのメールを送ることにハードルを結構感じてしまう人も多いのではないでしょうか? そこで私は学生がよく使うLINEの中で実験募集を呼びかけることで通知にすぐ気がついてもらうことができると考えました。

さて、レストランや美容院など様々なお店でLINE@というサービスを見たことはありませんか? こういった公式のLINE BOTが最近ではよく見かけるようになりました。LINE@は公式のアカウントをともだち登録することでいつでも最新情報やクーポン情報を受け取ることができるサービスなのですが、登録がすごく簡単でQRコードを読み込むだけでできてしまいます。この気軽さを各研究室が実験募集の方法として使うことで従来の実験協力者プールよりも参加しやすくなることが期待できると考えています。

これまでお店で使われていたLINE@が研究室に置き換わるイメージです。

お店が研究室に置き換わるイメージ

 

私はLINE BOTとともだちになるだけで研究室の実験情報を受け取ることができるBOTを開発し、中村研究室用に「中村研実験さん」として去年末の卒論・修論期間中に研究室で運用しました。2ヶ月の間で、学科の97人の人(主に研究室日本配属されていない1~2年生)にBOTとともだちになってもらい、38件の実験募集が行われ、のべ281人に実験協力してもらいました。そのうち32件の実験で10分以内という驚異的な速さで最初の実験協力者が見つかっていました。このように迅速に多くの人に効率的に実験協力の声をかけられるという点でこのBOTは有用であることがわかり、多くの先輩後輩の卒論、修論を救うことができました!!

依頼文は、メッセージの長さに上限があるため、アルバイト情報誌のような依頼をすることで人を集めるような工夫がなされていました。こうした仕組みで各研究室が実験募集BOTをもつことの利点は、実験協力側として気軽にQRで研究室BOTを登録し、興味がなくなれば友達解除するだけでよいこと。また、LINE BOTなのでその実験依頼を無視することが容易なことなどでした。さらに普段なかなか実験協力者を集めることができなくて研究が進んでいなかった人もこれにより進めることができていました。

今回実現した仕組みを改良し、先端メディアサイエンス学科の各研究室に導入してもらい、各研究室の実験協力募集を手軽にしたいと考えています!

発表資料と論文は下記のとおりです。

発表資料

発表原稿

樋川 一幸, 松田 滉平, 中村 聡史: コミュニケーションチャネルに入り込む研究室実験募集BOTの提案と運用, 情報処理学会 研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN), 2019-GN-107(3), pp.1-7 (2019-03-11) , 2188-8744.

 

感想

今回のGN研究会の裏番組としてHCI研究会が開催されていたこともあり、前回参加した時より人数が少なく感じました。しかし、質疑がけっこう盛り上がって多くの意見やコメントをいただくことができたので今後の研究に役立てようと思います。特に学生が通知を見てもらいやすい時間帯を調べてその時間に情報を通知したら面白そうというコメントでは、これまで検討していなかったことだったので調査していきたいと思います。

M2になり、いよいよ私の学生生活も最後の1年ということで頑張っていきたいと思いますので、よろしくお願いします。

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