DEIM2021で「ファンデーションの塗りムラをなくすための基礎調査」というタイトルで発表してきました(梶田美帆)

   

はじめに

暦の上では既に春ではありますが,まだ少し寒さの残るこの頃,皆様いかがお過ごしでしょうか.

こんにちは,B4の梶田美帆です.3/1~3に開催されたDEIM2021において研究発表を行わせていただきましたので,その報告をさせていただきます.

研究概要

顔は年齢や性別,感情などの個人の印象が捉えやすいため,自他ともに注目しやすい部位です.そこで,化粧は自身の印象を理想に近づけるための手段のひとつとして様々な人に用いられてきました.

中でもベースメイク,特にファンデーションには,肌色補正効果,毛穴や色ムラなど肌の欠点を隠すカバー効果,さらに,化粧を施した肌の見た目に「自然さ」「透明感」など理想的な質感を付与する効果などがあり,肌を即時的に整え,理想の質感を演出できるため,非常に重要です.

しかしながら,ファンデーションのこういった機能を損ねかねない問題があります.

それが塗りムラです.

ファンデーションの色は自身の肌の色と近いものを選ぶことが推奨されています.そのため,塗れている箇所と塗れていない箇所がそれぞれどこなのかわかりにくくなっています.しかし,きちんと塗れているかどうか不安だからと言って,何度も塗り重ねてしまうと,「厚塗り」の状態になり,そこから化粧が崩れやすくなってしまうことも考えられます.

そこで我々は「ファンデーションを塗りムラなく自分でうまく塗れるようにしたい!」と考えました.

しかし,既存のファンデーション量の定量化・分布計測システム等は,光学フィルタやマイクロスコープなど特殊な機器が必須であり,一般のユーザが化粧中に簡単に利用できるものではありません.

そこで本研究では,一般のユーザが手鏡のようにスマートフォンなどのデバイスを利用して塗りムラをチェックできるシステムの実現を目指しています.

今回はまず,システム開発の前段階として,スマートフォンなどの一般のカメラで撮影した画像において塗りムラを確認できるかを実験によって検討しました.

具体的には,特徴に応じて10種類のファンデーションを選定し,また女性11名男性5名の計16名の実験協力者について素肌とファンデーションを塗布した肌について撮影しました.さらに,それらの画像について色相・彩度・明度それぞれの平均・標準偏差を6次元の特徴量とし,学習データ75%,テストデータ25%として二値分類を行いました.以下が結果となります.

  • 分割方法1:データセットをそのまま学習…平均82.3%
  • 分割方法2:部位ごとに2種類に分割…平均85.3%
  • 分割方法3:実験協力者ごとに16種類に分割…平均92.6%
  • 特徴量ごとの正解率
    • 色相:パウダーファンデーション(平均65.4%)
    • 彩度:パウダーファンデーション(平均68.2%)
    • 明度:クリームファンデーション(平均68.9%)

以上の結果から,個人ごとに学習させると十分な精度がでること,また,ファンデーションの種類ごとに特徴量の影響に差があることがわかりました.

今後は,以上を踏まえまして個人の肌色や肌質の考慮ファンデーションの種類に合わせ特徴量に適切な重みづけすることなどにより,より判別の精度を高めていきたいと考えております.また,モデル化なども進めていく予定です.

以下,文献情報と発表で使用したスライドになります.本研究の詳細はこれらをご参照いただければ幸いです.

 

文献情報

梶田 美帆, 中村 聡史. ファンデーションの塗りムラをなくすための基礎調査, 第13回データ工学と情報マネジメントに関するフォーラム(DEIM2021), No.C14-4, pp.1-8, 2021.

スライド

感想

初めてのオンライン学会でした.非常に緊張しましたが,暖かく受け止めていただけて幸甚です.

今年は特に多くの方に支えられてきたことを実感した一年でした.お忙しい中研究に対して様々なアドバイスをくださった中村先生,研究室の皆様,並びに実験に快く協力してくださった方々に感謝いたします.

学部最後の研究発表を無事終えられてホッとしていますが,気を引き締め,来年度も頑張りたいと思います.今度こそ京都に行きたいです.

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