はじめに
こんにちは。中村研究室B4の會田萌々花です。
2026年3月16日から3月18日に沖縄産業支援センターで開催されたMVE研究会にて研究発表を行いましたので、ご報告させていただきます。今回は手指動作と音声を用いた振り付けの想起を可能とする記録手法の提案というタイトルで発表してきました。
研究概要
背景と目的
ダンスの振り付けアイデアは日常生活のふとした瞬間に思いつくことが少なくありません。そのため、後から見返した際に正しく想起できる形での記録が必要です。既存の記録方法としてテキスト記録や、全身動画撮影による記録がありますが、テキスト記録は言語化が困難なニュアンスの表現が難しく、全身動画撮影は環境的制約が大きいという課題があります。
そこで本研究では、思いついた振り付けを手軽に記録し、後から見返した際に正しく想起できるようにすることを目的として手指動作と音声を用いた振り付けの記録手法を提案しました。
提案手法
本研究では、身体に見立てた手指動作による振り付け再現とタイミングを同期するための音声カウント、補足のための音声メモを組み合わせた振り付け記録手法を提案しました。ユーザの操作としてはスマートフォンと三脚を用いて上半身・下半身の振り付けを再現した手元動画を撮影します。これら2つの動画をPC上のシステムに入力することでカウント情報に基づいて自動で上半身と下半身の2つの動画のタイミングを紐付けた動画を出力します。
実験
実験では、実験協力者の方々に振り付けを創作していただきました。その際、振り付けにバリエーションをもたせるために8カウント×4曲を選定しました。なお、比較手法は下図のようなテキスト記録とし、同一の実験協力者が提案手法と比較手法を体験する実験者内比較としました。

実験の流れとしては、まず振り付けを考え、記録してもらいました。その後、1週間の振り付け忘却期間を設けた後に振り付けを想起してもらう実験を行いました。また、記録タスク、想起タスクそれぞれにおいてアンケートおよび簡単なインタビューを実施しました。
結果と考察
記録時間について、提案手法が記録時間を大幅に短縮することが示されました。インタビューでは、「身体に振り付けが染み付いているため自然に記録できた」といった意見が得られており、手指動作による振り付け記録がダンスを踊る感覚に近い形で行われていた可能性が考えられます。
記録時の作業負荷について、身体的作業負荷では手法間で大きな差はみられませんでしたが、精神的作業負荷では提案手法において負荷が小さい傾向がみられました。
より詳しい情報に関しては下のスライドをご参照ください。
スライド
論文情報
會田 萌々花, 中村 聡史. 手指動作と音声を用いた振り付けの想起を可能とする記録手法の提案, 信学技報, Vol.125, No.411, MVE2025-74, pp.273-278, 2026.
おわりに
今回が2回目の学会発表でしたが、たくさんの方のサポートのおかげで無事に終えることができました。また、沖縄県は美味しい食べ物がたくさんあり、海が綺麗でとても充実した時間でした。
最後になりますが、テーマ決めから実験設計や論文執筆、発表練習に至るまで支えてくださった先輩方、中村先生、お忙しい中、実験に協力してくださった皆様に心から感謝申し上げます。ありがとうございました。


