はじめに
中村研B3の加藤純世です.
2026年1月23~24日に宮古島市未来創造センターで開催された第127回CN研究会にて研究発表を行いましたので,ご報告させていただきます.今回は,「Webアンケートの形式と設問文の口調が自由記述設問の回答に及ぼす影響」というタイトルで発表いたしました.
研究概要
背景と目的
Google FormといったWeb上で行われるアンケートには,手軽に多くのデータを収集することができるメリットがあります.しかしその一方で,不真面目な回答が多く存在するデメリットもあります.その不真面目な回答は自由記述設問に多く存在し,例を挙げると「abcdef」といった意味のない適当な文字を入力するといったことが考えられます.
こうした背景を踏まえ,これまで回答者の回答行動に影響を与えうるアンケート内の要素に着目した研究がされてきました.例えば,自由記述設問をアンケートのどこに配置するか,テキストボックスのサイズを大きさを変化させるといったものがあります.そして結果として,これらの要素は回答者の回答行動に影響を与えることが明らかになっています.
そこで本研究では,回答者の回答行動に影響を与えうる新たな要素として,「アンケート形式」と「設問文の口調」に着目し,これらが自由記述設問の回答に及ぼす影響を明らかにすることを目的としました.
手法
要素の一つ目の「アンケート形式」には,チャット形式と標準形式を設定しました.二つ目の「設問文の口調」には,普通口調と口語口調を設定しました.アンケート画面,設問文の例は以下の通りです.
実験
実験は,先述した形式と口調を組み合わせた4つの条件でアンケート調査を行いました.アンケートテーマは「漫画」とし,設問は選択設問5問,自由記述設問の2問の計7問で構成しました.そして,自由記述設問の内容にどれだけ差が出るかを測るため,回答内容数がいくつあるかという指標である回答トピック数をもとに,2問の自由記述設問を評価しました.
結果と考察
結果として,2問の自由記述設問の平均回答トピック数は,条件間には差がみられませんでした.これは,「漫画」というアンケートテーマが,個人差による影響を大きく受けてしまうものであり,設定した形式や口調による影響が生じにくくなってしまった可能性が考えられます.
一方,自由記述設問の回答時間に着目し,回答者を男性と女性で分けたところ,女性回答者はチャット形式の条件で回答時間が短くなる傾向がみられました.
展望
今回の結果を踏まえ,今後は回答者の個人差による影響が少ないアンケートテーマを活用し,再実験を実施する予定です.
発表スライドと書誌情報
おわりに
初めての学会発表ということもあり緊張もありましたが,宮古島を楽しみながら無事に終えることができました!
最後になりますが,研究や原稿執筆,発表練習の指導をしてくださった中村先生ならびに先輩方に,心より感謝申し上げます.


