中村聡史研究室

明治大学 総合数理学部 先端メディアサイエンス学科: Human-Information Interaction / Lifelog / BADUI

HCS研究会で「Mojivator: 平均化手法を用いた手書き練習システムによる書写行動の変化の観察」というタイトルで発表してきました!(久保田夏美)

   

だんだん気温も暑くなってくると共に,研究室の冷房が寒い季節になってきましたね.

毎日,暑さと寒さと戦っている中村研B4久保田夏美です.

 

今回は2017年5月16〜17日に沖縄那覇市の産業支援センターで行われた「電子情報通信学会ヒューマンコミュニケーション基礎(HCS)2017年5月研究会」で研究発表をしてきました.

発表内容

今回は,HCIとWISS2016で行ってきた研究をもとに,長期実験を加え,その結果から分析し考察したものを報告してきました

研究背景

みなさん,手書き文字は好きですか?

手書き文字を綺麗にしたいと思ったことはありますか?

電子機器が普及した現在でも,手紙や年賀状などがコミュニケーション手段の一つとして利用されています.

また,これらが手書きの方がいいという人が9割以上もいることが文化庁の調べでわかっています.

 

しかし,手書き文字の練習は単純作業で難しいためモチベーションの維持が難しいといった問題がありました

そこで私たちはこれまで,モチベーションを保ちつつ手書き文字の練習ができるシステム「Mojivator」を開発してきました

これは,ユーザの手書き文字にお手本の手書き文字をリアルタイムに融合して,お手本に近い文字をユーザに提示することによって,「あれっ?うまく書けてる?」「私って字が意外とかけるんじゃない?」と勘違いさせることによってモチベーションを高めつつ,手書き文字練習に取り組んでもらうというものになっています.

これまでの研究

私たちはこれまでMojivatorを用いて短期的な実験を行ってきました

詳しいことはこちらの記事をごらんください

 

今回行った研究内容

これまで短期実験を行い,Mojivatorの練習によって 書写技能の向上とモチベーションの維持を促すことが確認できました.

しかし,モチベーションの維持に関して,「新しいもの」で練習したからモチベーションを維持することができたのではないかというご指摘を多くいただきました

 

そこで今回は,約1ヶ月に渡る長期実験を行い,長期的な手書き文字練習でもモチベーションが維持することが可能なのかを検証しました.

従来の練習方法であるなぞり書きとMojivatorでの練習を比較することによって,どれくらい練習に対する意識の差があるのかを比較しました.

結果は下図のようになりました.

 

一番上の段がお手本の字形を表しています.そして,1回目の段は長期実験を始める前に行ったテスト,5回目の段は長期実験を全て終わった後に行ったテストの字形を表わしています.

長期実験前後で,Mojivator,なぞりともに字形が多く変わっていることがわかると思います.

このことより,長期的に練習をしても書写技能が向上したことから,Mojivatorはなぞり書き程度に手書き文字練習の方法として有効だということがわかりました.

そして一番重要な練習に対するモチベーションを保つことができるのかということに関して,長期実験の間に数回行ったアンケートより分析し考察しました.

 

まず,「書写技能が向上したと思うか」についてまとめたアンケート結果は下図のとおりです.この結果は5回(5日間)の練習の後に毎回アンケートしたもので,一番左が最初の5日間やったあと,一番右が,20日間やった後のものとなっています.

この結果から,Mojivatorの方が向上していると感じていることがわかります.

また,「練習を単純作業と感じたか」という点について最後にアンケートを実施したところ,下図のような結果を得ました.ちなみにA~Hは実験協力者で,縦軸は上に行けば行くほど,単純作業と感じたことを意味しています.

この結果より,なぞり書きは,Mojivatorに比べて単純作業であると感じる傾向が分かります.

以上をまとめますと,

  • なぞり書きでの練習よりも,自身の書写技能の向上が実感できた
  • Mojivatorでの練習は,毎回違うように変化するため単純作業と感じなかった
  • 自由なストロークをかけるためストレスがかかりにくく,この先も練習したいと思う

など,Mojivatorの練習によってモチベーションの維持を促すことができました.詳しい結果などは下記の原稿やスライドをご覧ください.

今後の予定

今後は,webサービスやアプリケーション化して,通学・通勤途中でもできるように,またiPadなどを利用して手軽にできるようにしていきたいと思います.

また,実際に教育現場に導入してみて,どのような改良が必要なのかを検証していき,より多くの人にMojivatorでの練習をしてもらいたいです.

 

原稿

久保田夏美,斉藤絢基,中村聡史,鈴木正明. Mojivator:平均化手法を用いた手書き練習システムによる書写行動変化の観察. 信学技報, vol. 117, no. 29, HCS2017-23, pp. 157-162, 2017年5月.

 

スライド

感想

今回のHCSの会場もそれほど大きくなく,今回の研究も最終段階だったため,緊張せずに発表することができました.

また,Mojivatorについていろいろな意見をいただくことができ,改めて研究に愛着が湧いてきました.

 

そして,私自身,人生初めての沖縄ということで,学会が始まる前からかなりテンションが上がっていました.

中でも美ら海水族館は圧巻のスケールで鳥肌がたちました.

 

また学会に一緒に行った土屋駿貴さんは,中心部から片道2時間もの道のりを運転してくださり本当に感謝しています.

そして沖縄料理もたくさんいただきました.タコライス,ソーキそば,ゴーヤチャンプル,ラフテーなどなど…

とくにタコライスは美味しくて,朝のバイキングで自分で作ることができたので毎朝食べてました.

タコおいしいですね!!

今回の沖縄での学会では,多くの研究を取り入れたり沖縄を楽しんだりととても有意義な時間を過ごすことができました.

色々サポートしてくださった中村先生,しゅんきさん,そして,長期実験に協力していただいたり練習に付き合ってくださったりした研究室の同期,先輩,本当にありがとうございました.

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