中村聡史研究室

明治大学 総合数理学部 先端メディアサイエンス学科: Human-Information Interaction / Lifelog / BADUI

グループウェアとネットワークサービスワークショップ2017(田村,新納,白鳥,田島)

   

メリークリスマス!!(過ぎましたが)

クリスマスなのに研究室に来て今後の方針を語り合っている中村研究室修士1年の田村、新納、白鳥、田島です。

今回は2017年11月16日、17日に山形県上山市のかみのやま温泉 仙渓園 月岡ホテルで行われたグループウェアとネットワークサービス 2017(GNWS2017)に参加してきたので、ご報告させていただきます。

私たちは「Uniotto: グループ型音楽鑑賞手法の提案と実装」というタイトルで発表してきましたので、詳しくは後ほど投稿予定の発表報告や,Webサイトの方を見ていただければと思います。

それぞれが気になった発表について紹介させていただきたいと思います。


 

田村が気になった発表

文章表現の硬さ推定手法の基礎検討:中村仁汰、玉城和也、小林舞子(日本大学)中辻真(NTTレゾナント)、宮田章裕(日本大学)

文章を書くことに慣れていないユーザの中には、上司や友達に向けて書いた文章が、どのくらい硬い文章になっているかを、判断することが難しいと感じる人は多いです。

そこでこの研究では、書かれた文章がどの位硬い文章になっているかを、言語モデルで文章を分析し、文章中の各単語間の概念距離を測定することで、文章の硬さを推定する手法を提案しています。その提案手法では、書かれた文章がどのくらい硬い文章で書かれているかを、小学生レベル〜大学生レベルまでの13段階で出力されるため、自分が書いた文章の硬さを直感的に把握することが可能となっています。

その提案手法の有用性を検証するため、人手で表現の硬さレベル付きコーパスを3876件作成し、提案手法でそのコーパスをどのくらい正確に推定できたかを求めることにより、推定精度の検証を行っています。

その検証の結果としては、人手と推定の相関係数は0.446とやや相関があるということが、明らかとなっていました。

今回この研究を選んだのは、書いた文章の硬さ表現が、どのくらい硬い表現になっているかを、自身では推定出来ずに困った経験を、私も過去にしたことがありました。そのため、今回のワークショップで発表された研究の中で、一番興味を持ったので紹介させて頂きました。

 

新納が気になった発表

カラーセンサを用いたタンジブルデバイスの平面位置検出に関する精度検証:武田悠暉、 高田秀志(立命館大学)

現在、タンジブルインターフェースと呼ばれるインターフェースについての研究が盛んに行われています。タンジブルインターフェースとは、

既存のコンピュータの概念を一新し、形のない情報を直接触れることができる(タンジブル)ようにした、より実体感のあるインタフェースである。

(参照:https://ja.wikipedia.org/wiki/タンジブルユーザインタフェース

というようなものであり、机にタッチして照明を操作したり、ポットの蓋を開けたら音楽が流れたりというように、既存の家具などにインタラクティブ性を追加したもののことを指します。

たとえば机の例だと、通常は深度カメラやプロジェクターなどを天井に取り付けて、机のどの部分がタッチされたかを検出するのですが、この研究ではそのような大掛かりなものを使用せず、通常のカメラで検出しようということを試みています。

そこでこの研究では、下図のカラーチャートのようなものを印刷し、タンジブルにしたいインターフェースの上に設置することで、その空間に置かれた物体の周りの色情報を手がかりに位置を把握しやすくするということを行なっています。

関連画像

図 カラーチャート

発表では実際に、カメラと印刷したカラーチャートを使ってデモを行なっていて、インパクトある発表だと思いました。またカメラとカラーチャートだけでできるのは手軽であると感じ、これを使って簡易的なタンジブルインターフェースを作るハッカソンとかもやってみたいなと感じました。

 

白鳥が気になった発表

ステアリングの法則に基づいた切り絵創作のためのモチーフ難度と作者の技量の定量化に関する提案:東孝文、金井秀明(北陸先端大)

この研究は、切り絵に対して、
“ディスプレイ上でポインターを移動する時に
Tを動作を完了する平均時間、
Dを移動距離、
Wを移動する道の幅、
とすると
「T = a + b * log2(1 + D / W)」
という式に則る(a、bは実験環境で決まる定数。)”
という、”ステアリングの法則”を適用することで、切り絵の難度や作者の技量を測ることができるのではないかという研究です。

ステアリングの法則については大学院の授業で登場したことがあり、馴染み深かったのですごく興味を持って聞くことができました。

結果としては、ナイフによる裁断動作はステアリングの法則に従う(難度は測ることが可能!)が、熟練度での差はなかった(作者の技量を測ることはできなかった)となったようです。確かに、切る部分の幅が狭いほど、また、切る距離が長いほど難しくなるように思うので納得がいく結果です。

しかし、通常のステアリングの法則と違って、ナイフを使って切り絵をする場合、ナイフは持ち方が決まっている(刃先が尖っている方向が決まっている)ので円軌道などを描く時に無理な手の運動が生じて、法則に従わないのではないかと感じました。気になったので質問して見たところ、「切り絵ではそういう軌道を描く場合、90度ずつで紙自体を回転させながら切っていくのが主流なので無理な運動が生じることはない」ということでした。なるほど。切り絵はそうやって切っていくんですね。僕がやったらそんなにスムーズに紙を回転させながらできなそうですが、お祭りで型抜きはやった経験があるので、一度切り絵も体験してみたくなりました。

 

田島が気になった発表

ゲーミフィケーションを用いたバリア情報収集の基礎検討:大和祐輝(日大)

現在、階段や狭い歩道などの身体障害者が移動しづらい場所(バリア)をディープラーニングを用いて明らかにして行こうといった取り組みがなされています。

しかし、その手法を使うときの問題点として以下の2つが主に挙げられます。

  • ディープラーニングに用いる大量の歩行データが必要
  • 歩行データを計測する人に負担(退屈さや疲労など)がかかる

同研究ではこの2つ目の、収集者の負担を軽減することを目的としています。

手法としては、ゲームをしながら歩行してもらうことで退屈さを軽減しながら歩行データを取得するといったものです。これらの分野はゲーミフィケーションと呼ばれており、今回の場合はゲームをしていて気づいたら歩行データが取れていた!といったようなメリットがあります。

ゲームは陣取りを採用しており、プレイヤーにはGain・Shield・Breakという3つのアクションを取りながら相手プレイヤーの陣地を奪っていくようなものです。(詳細は論文をご確認ください)

この研究を聞いた私自身の感想としましては、機械学習やディープラーニングなどは手法が確立していてるがデータの収集の際に実験協力者に負担をかけてしまうといったことが経験上ありましたので、実験協力者になるべく負担をかけずにデータを収集するためのこの手法はとても素晴らしいものだと感じました。是非ゲーミフィケーションでデータの収集時の負担を軽減できる研究を進めていってほしいです。


 

今回のGNWSも温泉地での開催ということで温泉に行ってきました!想像以上に大自然の中の温泉すぎてびっくりしました。※屋外の脱衣所寒すぎでした

温泉を前にはしゃぐメンバー

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