中村聡史研究室

明治大学 総合数理学部 先端メディアサイエンス学科: Human-Information Interaction / Lifelog / BADUI

第106回GN研究会にて「プレゼンテーション中の発表者のみが聴取可能な音楽による緊張緩和手法の提案」というテーマで発表してきました(徳久弘樹)

   

ガンダーラ ガンダーラ They say it was in India...

そんなガンダーラの歌詞が聴こえてきそうな八重山の島々を堪能してきました。M1の徳久弘樹です。2019年も2月目に差し掛かりましたが皆さまいかがお過ごしでしょうか。

今回は2019年1月24日~25日に石垣島の石垣市健康福祉センターにて行われた第106回グループウェアとネットワークサービス(GN)研究会に、M2の今城さん、田島さん、土屋さん、B4の高橋と自分の5人で参加してきましたのでその報告記事となります。

発表内容

発表タイトルは「プレゼンテーション中の発表者のみが聴取可能な音楽による緊張緩和手法の提案」です。SonyのXperia Ear Duoといった遮音性のないイヤフォンを用いることで「イヤフォンで音楽を聴きながら話すことができる」という点に着目し、プレゼンのような緊張を伴いながら話す場面において、音楽を聴いてその緊張を緩和しようという研究になります。上の写真で実際に自分はイヤフォンを装着しながらプレゼンを行っています。

プレゼンは多くの場合、発表者1人に対して聴講者大人数の1対多のコミュニケーションが基本となります。その際に発表者はその多くの聴講者を前に緊張を伴いながら発表を行うことになり、その緊張や無音の状態に心配になって早口になる、声が震えてしまうといった発話への悪影響が懸念されます。

緊張を緩和するために、音楽を聴いてリラックスするという手段が広く知られています。スポーツ中継などでも選手が本番前にイヤフォンで音楽を聴いている様子を見ることも珍しくないかと思います。この手段の延長線上として、私たちはプレゼン中に音楽を聴くことで、リラックスしながら発表を行うための支援手法を提案しました。

この手法が有用であるかどうかを検証するための評価実験として、以下の2つの実験を行いました。

  • 発表者本人が音楽を聴いてプレゼンがやりやすくなるかという点に着目した主観評価実験
  • その発表を聴いた聴講者が違和感なくそのプレゼンを受け入れられるかという点に着目した客観評価実験

1つ目の主観評価実験では音楽を聴きながらと聴かずに行う2回の3分プレゼンを行ってもらい、そのときの緊張度合いや話しやすさなどをアンケートで尋ね、その回答を比較しました。その結果、20人の実験協力者のうち10人が音楽ありで緊張の緩和を実感するという結果が得られ、プレゼン中の音楽聴取による緊張緩和の有効性が示唆されました

次に、話しやすさについては7人が音楽ありのときに向上する結果が得られました。この結果について「沈黙が気にならなくなった」「自分の声を気にしすぎず話せた」などのコメントがあったことから、プレゼン中の不安要素から発表者の注意を逸らすことができたことが考えられます。また、この音楽ありで話しやすさが向上した7人のうち、5人の実験参加者がアンケートでプレゼンに自信がないと回答しており、話しやすさについてはプレゼンに自信がない人の話しやすさを向上させる傾向が示唆されるという結果になりました。

2つ目の客観評価実験では、最初の実験で集まったプレゼンの音声データを別の実験参加者に聴いてもらい、その客観的な緊張度合いや聞き取りやすさなどを印象をアンケートで比較してもらいました。本来ならば映像を用いてその振る舞いなども評価対象とすべきでしたが、今回はイヤフォンの装着の有無で発表者が音楽を聴いているのがわかってしまうため、そのバイアスを除くために音声のみで比較を行いました。

その結果、アンケートで尋ねたすべての項目において印象の差はなかったという結果になりました。今回は元々のプレゼンの評価が低かった人がいなかったため、発表者が音楽を聴くことでプレゼンに悪影響が生じるという懸念は少ないという結果が示唆されました

今後はこの緊張緩和を第一歩として、適切な発話スピードの維持、時間感覚のサポートなど、さまざまな側面から音楽でプレゼンを支援することを考えています。

文献情報

徳久 弘樹, 大野 直紀, 中村 聡史: プレゼンテーション中の発表者のみが聴取可能な音楽による緊張緩和手法の提案, 情報処理学会 研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN), 2019-GN-106 (46), 1-8 (2019-01-17), 2188-8744 (2019/01/25).

感想

前回からおよそ7か月ぶりの今回の発表となりました。前回は東京都内での発表だったため、今回が初めての学会遠征ということになりました。

正直な感想を言うと、ここまで満喫していいのかと思うほど空き時間を利用して石垣島の景色、グルメ、島めぐりを堪能しました。一緒に行ったメンバーがプランを全部自分に一任してくれたので、自分的にはかなり我がままをさせてもらった遠征でした。研究室配属を悩んでるB2で旅行好きな人がいたら中村研はかなりおすすめです。

前回の記事でも述べてる通り、自分はM1から中村研に配属され、早いものでもうその配属から1年が経とうとしています。先生も言っている通り中村研はやる気に満ち溢れているというわけではなく、本当に”ほどほどのモチベーション”の人が多いので自分としては途中からでも本当に馴染みやすかったです。やることが多くて大変な時期もありましたが、なんだかんだ楽しくやってこれたかなと感じています。M2の先輩と1年しか一緒に活動できなかったのが唯一の心残りです。卒業後もいろいろ世話になりたいと思います。

また面白そうな開催地での投稿を目指して研究頑張っていこうと思います。それではまた。

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